それから、僕達は
ジョンを僕の家に連れ帰ると
ユノさんが運転する車で
彼の家へと向かった

ユノさんが言った通りに
家政婦さんは帰った後で
テーブルの上に
1人分の食事が用意されていた

ユノさんは、それを見て

「俺は…食事は要らないから
君が食べるといい…」

僕にそう言って
自分はコーヒーを入れに
キッチンに向った

そんな事を言われても
1人で食べるわけにもいかず

「2人で…一緒に食べましょう…」

僕もキッチンに行って
お皿を出して来て
料理を取り分けて並べた

「1つしかないなら…
2つに分ければいいんでよ」

そう言ってから
ふと…ユノさんを見ると

ユノさんが驚いたように…
瞳を大きく広げて…
僕を見つめていた

「どうか…しましたか?」

僕が声をかけると
ユノさんは…

驚いた顔から
とても…優しい表情に変わって
僕に近づいて来る…

そのまま
海辺での続きのように
僕をそっと抱きしめた

「君に…触れて…いいか?」

ユノさんが、ためらいながら
僕の耳元で、そう囁く…

僕は…こくりと頷いた

そして
ユノさんは…僕の唇に
自分の唇を…そっと重ねた…


ユノさんの唇は
ふっくらしていて…
とても…暖かい…

ユノさんとのキスは
これで2度目だけれど
最初の時は、ただ驚いただけだった…

でも…今は…

ユノさんが、僕に触れている事が
素直に嬉しい…

ほんのり温かくて
しあわせな気持ちが
僕の胸一杯にひろがった…

ユノさんの唇が
さらに深く重なって
僕の唇の間に…柔らかい舌が
入り込んできて…

僕の舌を絡め獲った

気がつくと…
僕達は、夢中で唇を重ね合っていた

体中がとても…熱くなって
ふわふわと体が
宙に浮くような気持ちで
心地良く
ユノさんの胸に抱かれていた…

なのに…
ユノさんは、急に僕の体を離した

それも…とても…辛そうな顔をして…

僕は…何故ユノさんが
そんな表情をするのか
理解できなかった

「どうして…?」

僕じゃ…駄目なんだろうか…?
そんな思いで
僕はユノさんを見た

きっと、僕の想いを察してくれたのか
ユノさんは、僕の肩に手を回すと
もう一度…僕を抱きしめた