ユノさんと連れ立って
ジョンのリードを引っ張りながら
いつもの海へと向かった

ユノさんと並んで歩く途中…
何度も、ユノさんの表情を
横目で見た…

ユノさんは、柔らかな微笑みを浮かべて
ジョンを見つめている

この人の…
その瞳の中に、ずっと…映っていたいと
思ってしまう僕は…

やっぱり…ユノさんの事が
好きになったんだと思った…

今日は、ユノさんがずっと
ジョンと遊ぶ姿を
僕は、砂浜に座って見つめていた

いろんな事を考えていると
気分的に、体が動かない…

そんな僕をユノさんは
心配そうに見つめていた

けれども…
足元で、遊んでくれとばかりに
まとわりつくジョンを
僕から離して
一緒に走りだした



ひとしきり、ジョンが遊び疲れると
ユノさんは、僕の隣に腰を下ろした

「チャンミン…どうしたの?
今日は、元気がないね…
体調が悪かったのかな?

だったら、誘って悪かったね」

ユノさんがすまなそうな表情をして
僕の顔を覗き込んだ

僕はそんなユノさんの顔を見つめながら
さっき聞いた
ユノさんとカンイン先生の話を
思い出していた

ユノさんは…
このまま…、遠くに行ってしまうのだろうか…

僕の事を…どう考えているんだろう…?

好きだと言われだけれど…
その後は何も言ってくれない…

僕は…どうしたら…いいの?

ユノさんを見つめて
ぐるぐると考えを巡らせていた

黙って、考え込んでしまった僕を見て

「この間の事…嫌だった?」

ユノさんが、突然
そんな事を口にした

「何が…?」

僕は何の事かわからずに、聞き返した

「この前…君に触れてしまった事…」

確かに…驚いたけど…嫌じゃない…
その思いを伝える前に
急にそんな事を聞かれて
僕は戸惑った

「えっ?どうしてですか?」

「俺が突然訪ねてきて
君が…困った顔をしているから…

この間、俺が言った言葉を
気にしているのかと思って…」

ユノさんは、僕の様子を見て
僕が、ユノさんの告白を
嫌がっていると
勘違いしているようだった

「そうじゃ…ないんです」

僕は首を横に振った

「ユノさん…本気ですか?」

僕は、ユノさんの瞳を
じっと見つめ返した

「本当に…僕の事を…好きですか?」

ユノさんの瞳に映る
自分の姿を…確かめながら
ユノさんの答えを待っていた…