チャンミンside

いきなり、ユノさんに告白されて
僕の頭の中は、真っ白になった

だって…僕は男だし
なんで…僕なんだろうと
考えれば、考えるほど
頭の中は混乱していた

「いきなり…こんな事を言われて
びっくりしただろう?
こんな事を言うつもりは
なかったから
俺も、自分で驚いている…

ただ、俺の気持ちを
知っててくれるだけでいいから…」

ユノさんは、それだけ言って
少し…戸惑った顔をしながら
それでも…ゆっくりと
微笑みを浮かべてくれた

そして…

「綺麗な景色を見せてくれて
ありがとう…

驚かせて、悪かったね
俺の勝手な気持ちだから
君は…何も思わなくて
くれていいから…

今までのように
一緒にいてくれないか?」

ユノさんに、そう懇願されて
思わず、僕は頷いていた

「良かった… ありがとう」

ホッとしたような顔をしたユノさんは

「今日はここで… 先に帰るね」

僕を残して、1人で帰って行った…

立ち去るユノさんの後ろ姿を
見つめながら
僕は呆然と立ち尽くした

自分の唇に手をあてて
しばらくの間
さっきの事を思い出していた

ユノさんは…本当に僕のことを…
好きなんだろうか?

不思議と
ユノさんにキスをされて
嫌だと感じていない自分に気がついた

僕も…やっぱり…
ユノさんのことを…?

今日の出来事で
自分の気持が少しずつ
自分の中ではっきりと形に
なっていくような気がした

それから僕は
しばらくその場に佇んで
ユノさんの事を考え続けていた…



それからも
ユノさんとは、毎日顔を合わせたけれど
ユノさんは、何事もなかったかのような顔で
僕と普段通りに話している

僕には、ユノさんの気持ちが
よくわからなくなった…

ただ…
ユノさんは、いつも僕のことを
優しく、見つめてくれていた

絵を描いている僕が
顔を上げてユノさんを見ると
いつも、ユノさんの
優しい瞳が、僕に向けられていた

僕をモデルに絵を描いているから
当然なんだけれど
その視線が 心地よくて…

気がつくと、僕も
ユノさんの事を、いつも目で追っていた

ユノさんの事を意識して…
ユノさんの事が気になって…

きっと僕も…
ユノさんの事を…いつの間にか
好きになっていっているんだと思った…

それは…まだ
口には出来ないくらい
不確かな想いだけれども…

それでも
ユノさんへの想いは
確実に僕の中で大きくなっていった…