触れる程に、顔を近づけて
その瞳を見つめた

「ずっと…ここにいたよ…
約束だった…」

最後まで言葉にする前に
チャンミンの唇を、そっと塞いだ

幼かったその面影は
今、美しさを増し
艶やかな表情で、俺を惹きつける

もっと…お前を感じたい…

少しだけ唇を離し
もっと深く口付けた

このまま…こうしていたい…

だけど、聞きたい事も
たくさんあった

名残を惜しみながら唇を離し
そのまま背中に手をまわした

華奢な身体を丸めるようにして
俺の腕の中に
すっぽりと収まったチャンミン

「遅くなって、ごめんなさい
いろんな事があって
戻る事、出来なくて…
こんなに時間がかかるって
思わなかった」

チャンミンは、身体を震わせて
俺の腕に掴まっていた

「ヒョンが…待っててくれるとは
正直、思えなくて
今、菩提樹に謝ってたんだ
約束守れなくて、ごめん…って」

震えて
泣きながら俺の胸に顔を埋める
チャンミンの背中を
しっかりと抱き締めた

「俺も…帰って来てくれるのか
不安だったよ

気持ちが揺らいで
他の人と付き合った事もある…
だけど…やっぱり
お前の事を待ってた」

チャンミンは
俺の話に、身体をピクリと反応させた

そう…一途に
帰りを待ってた訳じゃ無い俺を
お前は、どう思うんだろう…

身動きしないまま
俺の腕の中にいるチャンミンに
微かな、不安が胸の中を過る

「こんな俺じゃ…嫌か?」

そう問い掛けた俺を
チャンミンは
黙ったまま、じっと見上げていた

「それでも…
待っててくれたんでしょう?
僕は、それだけで嬉しいよ…」

チャンミンは
そう言って、目に涙を溜めて
微笑みを浮かべた