ヒチョルさんに連れられて
会議室に案内された

中に入ると、何人もの人達が
一斉に僕達を見た

バンドでステージに立つ時に
感じる視線とは違う
なんだか、見世物になった様に
ジロジロと不躾な視線だった

僕は、
どこに顔を向けたらいいのか
わからなくて、不安になった…

あちこちに視線を彷徨わせていたら
ユノさんと目が合った

じっと僕を見て
ゆっくりと頷いてくれた

それで、僕の気持ちが
落ち着いた

「ユノ…久しぶりだね」
中央に座っている人が
ユノさんに声をかけた

「社長…なかなか顔を出さずに
申し訳ありませんでした」
ユノさんは、頭を下げてそう言った

「いいんだよ
こうやって、元気な顔を見て
安心したよ
で?彼が例のパートナーなのか?」
僕の顔を、値踏みする様に
じっと見ている

「はい、シム チャンミン君です」
ユノさんに、紹介されて
僕は慌てて、頭を下げた

「この方は、この事務所の社長
ソン イルさんだよ」

「よろしくお願いします」

社長は、僕をじっと見て
それからユノさんに視線を戻して

「ユノ…
私は、君ひとりでの復帰で
いいと思っている」

と、そう告げた