ユノさんは、少し辛そうに
顔を歪めて、僕を見た

「今の話を聞いて、君がどう感じたかは
わからないけど…
これが、以前の俺なんだ…」

ユノさんが、心に傷を抱えている事を
始めて知って、正直驚いている

「チャンミン…

君にダンスを教える様になって
楽しかった

一生懸命に
俺について来る君と踊り始めてから
忘れようとした
ダンスに対する気持ちが込み上げてきた

以前の俺は、自分の事しか考えられない
自分勝手な人間だったと思う
今も、それは変わらないかもしれないけど…

それでも
俺は、もう一度ステージに立ちたいと
思ったんだ

君と一緒なら
やり直せると思った

だから…考えてみてくれないか?」

「ユノさん…」
僕は、どう返事をしたらいいのか
迷っている

ユニットを組むと言うことは
ユノさんと対等に踊れないと
出来ない

そうでないと、チャンシルと
同じ道を辿ってしまう…

「返事は、すぐでなくていいから
ゆっくり、考えてみてくれ…」

ユノさんにそう言われて

「はい…」
僕は、頷いた

慎重に考えないと…

正直に言うと
自信はない
でも、一方でユノさんと
踊りたいと強く思う気持ちもあった

この人について行きたい…

ても、よく考えてみたら
僕には、越えなければいけない
もっと、大きな壁があったことに
気づいた