僕は今まで、人を好きになった
ことがなかった
だから、今のこの気持ちが何なのか
自分でも、よく理解できない

だから、ユノさんの問いかけにも
答えようがなかった

何も言わない僕を見て
ユノさんは大きくため息をついた

「俺の気持ちを、
    押しつけすぎたかな?
    ごめん、君の嫌がることは
    もうしないから…

    家に送るよ」

そのまま、僕を支えて
起こそうとした

その時、僕は
胸が締め付けられるように
苦しくなった

このまま、ユノさんと
会えなくなってしまうかもしれない

「い…嫌だ」

「チャンミン?」

「帰りたくない…」

僕は、ユノさんの胸に
飛び込むように抱きついた

「ユノさんと一緒にいたい…
   これが、好きって気持ちなの?」

たまらずに、泣き出した
僕の涙を抜くように
ユノさんが頬にキスをしてくれた

「やっと、言ったね
   待ってたよ」

その言葉を聞いて
さらにポロポロと涙を流す
僕の頬を指で触れた

「本当にチャンミンは泣き虫だね
   ほら、笑って、キスをしよう!」

弾けるように笑って
僕をぎゅうっと抱きしめた

そのまま顔を近づけると
深く唇を重ねた

やっと、離れたと思ったら
今度は、頬や首筋に唇を落とす

「ゆ、ユノさん?」

僕は戸惑って、固まった様に
身動きが取れない

そんな僕に気がついて
ユノさんは可笑しそうに笑った

「何で固まってんの?」

「だって、こういう時
    どうしたらいいのかわからない」

戸惑って言う僕の両手を
首に回させて

「何もしなくていいよ
    そのままでいて…」

そう言うと、もう一度唇を落とした

ふと、気がつくと
彼の胸の中にいた

僕に触れるユノさんの
肌の感触が心地よくて
ユノさんの全てが
愛おしいと思った

そのうちに
いろんな感情が込み上げてきて
また、涙が溢れて
止まらなくなった

そんな僕を
ユノさんが、優しい笑顔で
見つめている
その笑顔を見ながら
いつの間にか
ユノさんの腕の中で、眠っていた