確かな約束だった訳でもなく
来るかどうかもわからないのに
俺は馬鹿みたいに
チャンミナが出て来るのを
待っていた

隣の店の壁に寄りかかり
タバコに火をつけた
その時

「僕にも、ちょうだい」

後ろから、チャンミナの声がして
俺の咥えたタバコをすっと
長い綺麗な指で取り上げて、
自分の口にくわえ、吸った

「ごほ、ごほ」

むせる咳をして、タバコを消した

「タバコって、美味しくない
   なんで、こんなもの吸うの?」

チャンミナは、顔をしかめて
俺を見た
その顔も綺麗だと思った

「なんで、俺を誘った?」

「言ったでしょう?
    お兄さん、僕の好みだって

    その綺麗なアーモンドアイ
    一目惚れしちゃった」

そう言うと、チャンミナは
俺の顔を覗き込みながら
首に抱きついてきた

「ね、どっか、行こう?
   2人だけになれるとこ」

甘えた声で、俺を誘う

「なんで、俺にそんなこと言うの?」

急に俺を誘った訳を知りたかった

「だって、じっと見てたじゃん
    僕が、他の人とキスするとこ

    視線がギラギラしてて、 
    怖かったよ
    嫉妬してたでしょう?」

そう言って、クスクス笑うチャンミナ

俺は
まだ、酔いが残っているせいなのか
チャンミナの赤い唇を
みていたら、堪らなくなった

チャンミナの頬を両手で挟め
無理矢理、唇を重ねた

まるで、貪るように
口付ける

見知らぬ人間とこんなこと…
今日の俺はどうかしている….

そう、思いながらも
止められない衝動

「お前が、悪い…」

そう言うと、再び
深く唇を重ねた