飲み会に行ってびっくりした
ミノが言っていたのは
大げさな事じゃなくて
みんな、僕に興味を持って
くれているのがわかった


みんな、次々に
僕にお酒を注ぎに来ては
いろいろしゃべって行く

「お前、笑うと美人だよな」

「男に向かって美人はないだろ!」

「だって、綺麗じゃん、
    いつも、無愛想で暗かったから
    気がつかなかったよ
    どう?俺と付き合わない?」

酔っ払ってからんでくる奴や

「何言ってんですか!
   こんなに可愛いい女子社員が
   たくさんいるのに
   なんで男がシムさん狙うの!」

ペタペタと触ってくる女の子

やっぱり、こういうの僕は
苦手だ
でも、もうしばらくは
我慢しようと、グラスに入った
ビールを飲み干した

「どうぞ」

いつの間にか隣に来ていた
ソヨンが空になったグラスに
ビールを注ぎ足してくれた

「なんか賑やかだね、
   いつもこうなの?」

「大抵、こうですよ   
   そのうちに、みんなバラバラに
   いなくなっちゃう
   そうだ、シムさん
    後で、抜け出しませんか?
    私、お酒苦手だから
    早く切り上げたいんです」

ソヨンがそっと耳打ちしてくれた

「そうだね、僕も騒がしいのは       
    苦手だから…」

それから一時間程飲み続けると
好い加減にお酒の入った連中は
思い思いにばらけ始めた

ソヨンの目配せで、僕はそっと
コートとカバンを持つと
外に出た           
 
ソヨンは先に外に出ていて
僕を待ってくれていた

「抜け出せましたね」

いたずらっぽく
ふふっと笑って、僕の腕に
しがみついた

「ソヨン?」

僕は驚いてソヨンを見た

「これから、どうします?」

「どうするって?」

「どこかで飲み直します?
    それとも、何処かにいきます?」

ソヨンも少し酔っているのか
頬を少し上気させて
僕を見上げている
その瞳が潤んで見える

「何処って…」

僕が戸惑っていると
ソヨンは、自分の体をさらに
僕に密着させてきた

「私の家にきませんか?」

「ソヨン…」

「私、シムさん…
   チャンミンさんが好きなんです」

僕を見上げて、恥ずかしそうに
そう言った
僕は、固まったまま
じっとソヨンを見つめていた