ソウルで新しく生活を始めるため
店を整理するために
この街へ帰ってきた
ひとりで、戻るつもりだったが
チャンミンも一緒に行くと言って
きかなかった

俺の自宅は
テミンが使うことになったから
ソウルに送る洋服類の
荷造りだけすませ
店の住居部分の整理を
進める

といっても
ほとんどはチャンミンが
荷造りしてくれた

ふと
思いついて、
俺はふらりと外に出た

店に戻るとテミンとヒチョルが
来ていた

「自分の荷物の片付けなのに
    どこ行ってんだよ
    ユノヒョン!」

テミンがプリプリと
怒っている
チャンミンがいなくなって
ずっと寂しがっていたから
俺たちが、この街を出ることに
腹を立てているのだろう

「本当、びっくりしたよ
    チャンミンがあの
    ジュネルだったなんて」

ヒチョルがまた、
チャンミンの
頭をぽんぽんと軽く叩いた
それを見てテミンが声をあげる

「ヒチョルヒョン!
    ジュネルに気安く触んないで!」

テミンの言葉に
みんな目を丸くして
そして、顔を見合わせて笑いだした

「テミン、君の前では
    僕はチャンミンだよ
    今迄も、これからも」

テミンは、拗ねながら
でも嬉しそうに横を向いた
そして後ろに
何かを隠し持っている
俺に気づいた

「ユノヒョン、何持ってんの?」

俺は、少し照れながら
チャンミンに花束を差し出した

「これが、スノーフレーク
   この店の名前になった花だよ」

そう言って、白い花束を
チャンミンに手渡した