手紙屋のなかで
喜多川さんは
こんなことも書かれています

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わが子の幸せを願うのは悪いことではありません。
でも、子どもが幸せを手に入れる方法は
「自分のために頑張ること」ではなく、
「人のために生きること」なのです。


人間は人のためにこそ、より強い意志を持って行動できるようにできています。
これが人間のすばらしいところだと私は思います。

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胎内記憶を持つ子どもに
なぜ生まれてきたのか?
どうして自分(母親)のもとに生まれてきたのか?を、尋ねると
「ママを幸せにするため」という答えが返ってくるという話を
どこかで一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?


人はこの世に生まれてくる時点で
すでに
「母親を幸せにする」という使命を持って
生まれてきます

お子さんがいらっしゃる方なら
子育てで大変なことが
それはそれは沢山ありながらも
この子のおかげで感じられる幸せ
この子に教えてもらった幸せというものが
ひとつやふたつ、
いや
数えきれないほどあることと思います


どんなに幼い子どもでも
母親が喜んでくれたことは
自分の喜びとし
母親の喜ぶことを頑張ってやってくれます

一番身近な
自分ではない「人のため」に


ところが、

小さかった子どもが成長し
自分の進路やその先の人生を視野に入れて
さまざまな選択をしていくなかで

可愛さのあまり

そしてときに
憎らしさもまざる時期を迎えることもあり
親として
「自分のために頑張る」ことを
伝えるタイミングが訪れます


自分の力で幸せになって欲しい
と願う気持ちと

今やらなければ、自分が後々苦労するのだから
と少し突き放す気持ち



どう伝えることが
一番心に響くのか
親としての真意が伝わるのか


親といえど
ひとりの人間として
人を育てることを学ぶなかでの
たくさんの葛藤を抱えながら、、、



母親を幸せにしようと生まれ
生きてきたはずなのに
その母親には
「自分のために頑張りなさい」と言われ
突き放されるような思いをし、

同時に学校では
とにかくたくさんのことを詰め込む学習が行われる時期

たくさん覚えること
テストで良い点を取ること

それが
「自分のためだ」と
素直に信じて頑張れる子が
どれだけいるでしょう


自分で自分を幸せにする手段だと
どこまで深く理解できるのでしょう



突き放されつつも
良い点数であれば
怒られることはない、、と
そこで「勉強」が「良い点数をとるため」の目的へと格付けされてしまう

勉強ができることを目的化してしまう

そんな歪んだ現象は
きっとこうして生じていくのではないでしょうか、、、


***


子どもが生まれ
その時点で親になり
人を育てるということがスタートします


「人を育てる」ということについて
あえて学ぶことは無く、
お手本となるのは
自分がどう育てられたか?
その部分がとても大きくて
自分が経験してきたことの中から
取捨選択してやっていく


そうしていくなかで
親として壁にぶつかるのは

自分が子どもの頃
大人の言うことで納得できなかったことを
納得できないまま放置してきたことに
子育てを通してまた遭遇したとき


大人の言うことは絶対!
というような理由で従ってきたこと

大人の言う通りに
選択してきたこと


さらには
そうして生きてきた中で
「生きづらさを常に感じていたこと」について
どう説明すれば良いか分からない


自分が我慢してやり過ごしてきたことを
押し付けるようで


子どもに同じ思いをさせたくない、、
思いつつ
我慢ということだけで
深く考えずに乗り越えてしまったことは

自分の中でも答えが出ていないから
何がこの子にとっての最善なのか?
分からない


そんな葛藤が
あちらこちらで見え隠れする


「勉強すること」についても然り、、、




喜多川さんの本は
そんな子どもの頃の自分自身の悩みと
その答え

そして
親になってからの子どもへの
それらの伝え方が
的確に表現されていて
いつも心が前向きになります


親になってもまだ引きずってきた
あの頃の悩み


乗り越えてきたと思い込んでいたことが
実はまだ自分の中でクリアになっていなかったこと


子どもを育てていると
デジャヴのように
たくさんのことが蘇ることがあります


そんな大人の葛藤も
喜多川さんはきちんと答えを出してくれます


***

アラフォーの私ですが
自分が子どもの頃と今とでは
時代背景も環境も
あの頃とは全く違います

自分が親にどう育ててもらったかということを
自分がどう子育てするか?と
混同するものではない
と最近思うようになりました


私の両親は
その時できることの最善を尽くし
育ててくれたこと


その過程で私がどんな悩みを抱え
何を解決できずに持ち越しているのか?

その答えを導き出すのは
自分の子育てを通してできるもの
きっと
今が答えを出すタイミングなのだと
読書を通して感じるようになりました




まだあと何冊か
喜多川さんの本のご紹介は
続きます

よろしければお付き合いください



一冊の本には人を動かす力があり、
人を変える力もある。

本って、本当に素晴らしい!


それでは、また。