私の卵巣摘出が4月15日
1週間後の退院の日
小児科医から
胎児の心臓について
説明があった
病名は
「肺動脈狭窄症」
現時点でハッキリしている状態とのこと
心臓の弁のひとつが
非常に狭く
肺へしっかり血液が
流れない機能で形成されていると
出産には
小児科医
循環器科医も待機し
胎児を取り出し次第
超音波の検査にて診断
必要があれば
すぐに措置を施すとのこと
産婦人科医からは
卵巣摘出も無事終わり
母体の準備は整った
この先は
胎児の成長を最優先に
出産に備えることを伝えられた
わたしは
これを機に
仕事もプライベートも
全て手放し
出産までの日々を送った
***
胎児はスクスク育ち
6月に入った検診の日
出産日が確定した
胎児はお腹の中では
本当に元気で
よく動いていた
「こんなに元気なのに
お腹から出たら
普通には生きられない」
その事に実感を持てないまま
出産の日を迎えた
***
6月26日 出産の日
一番気になっていたのは
胎児を取り出したとき
「泣き声は聞こえるのか」
ということだった
手術台に上がり
脊髄からの部分麻酔
首から下は感覚を失い
呼吸に意識を向けるのが
精一杯の状況の中
「もうすぐですよ」と
頭のところで
麻酔科医が告げた
そして
程なくして
「オギャー!」という
力強い泣き声
それは
「本当に心臓が悪いのか?」
と疑う位の大きな声だった
「あぁ、良かった…」
とにかく
ちゃんと生きて
産まれてきてくれたことに
「ありがとう」の気持ちで
いっぱいだった
お腹から取り出された娘は
看護士に抱かれ
一瞬
顔を見せて貰い
そのまま別室へと連れて行かれた
***
その日の夕方
小児科医
循環器科医から
娘の心臓について
説明を受けた
わたしは翌日まで
身体を起こせないため
ベッドに横たわったまま
旦那さまに説明する
医師たちの声に
耳を傾けていた
娘の心臓を
超音波検査で確認し
分かったことは
予め診断されていた
「肺動脈狭窄症」に加え
「右室低形成」というものだった
それは
心臓の4つの部屋の
ひとつである右心室が
通常より小さい状態
弁が狭く
血流が少なかったことにより
右心室の容積が
小さく形成されたというものだった
そもそも胎児は母体に居るとき
肺呼吸では無い
その状態で
血液が循環できるよう
胎児には
血管が備わっている
その血管は
母体から出て肺呼吸になると
自然に閉じる仕組みになっているが
娘はこの血管を薬により
開いたままにすることで
応急処置的に
血液の循環を保つこととなった
出産直後は
胎児の体力も落ちているため
数日様子を見て
さらに心臓の状態を
詳しく調べる検査と
狭くなっている弁を
広げる措置が行われることになった
1週間後の退院の日
小児科医から
胎児の心臓について
説明があった
病名は
「肺動脈狭窄症」
現時点でハッキリしている状態とのこと
心臓の弁のひとつが
非常に狭く
肺へしっかり血液が
流れない機能で形成されていると
出産には
小児科医
循環器科医も待機し
胎児を取り出し次第
超音波の検査にて診断
必要があれば
すぐに措置を施すとのこと
産婦人科医からは
卵巣摘出も無事終わり
母体の準備は整った
この先は
胎児の成長を最優先に
出産に備えることを伝えられた
わたしは
これを機に
仕事もプライベートも
全て手放し
出産までの日々を送った
***
胎児はスクスク育ち
6月に入った検診の日
出産日が確定した
胎児はお腹の中では
本当に元気で
よく動いていた
「こんなに元気なのに
お腹から出たら
普通には生きられない」
その事に実感を持てないまま
出産の日を迎えた
***
6月26日 出産の日
一番気になっていたのは
胎児を取り出したとき
「泣き声は聞こえるのか」
ということだった
手術台に上がり
脊髄からの部分麻酔
首から下は感覚を失い
呼吸に意識を向けるのが
精一杯の状況の中
「もうすぐですよ」と
頭のところで
麻酔科医が告げた
そして
程なくして
「オギャー!」という
力強い泣き声
それは
「本当に心臓が悪いのか?」
と疑う位の大きな声だった
「あぁ、良かった…」
とにかく
ちゃんと生きて
産まれてきてくれたことに
「ありがとう」の気持ちで
いっぱいだった
お腹から取り出された娘は
看護士に抱かれ
一瞬
顔を見せて貰い
そのまま別室へと連れて行かれた
***
その日の夕方
小児科医
循環器科医から
娘の心臓について
説明を受けた
わたしは翌日まで
身体を起こせないため
ベッドに横たわったまま
旦那さまに説明する
医師たちの声に
耳を傾けていた
娘の心臓を
超音波検査で確認し
分かったことは
予め診断されていた
「肺動脈狭窄症」に加え
「右室低形成」というものだった
それは
心臓の4つの部屋の
ひとつである右心室が
通常より小さい状態
弁が狭く
血流が少なかったことにより
右心室の容積が
小さく形成されたというものだった
そもそも胎児は母体に居るとき
肺呼吸では無い
その状態で
血液が循環できるよう
胎児には
血管が備わっている
その血管は
母体から出て肺呼吸になると
自然に閉じる仕組みになっているが
娘はこの血管を薬により
開いたままにすることで
応急処置的に
血液の循環を保つこととなった
出産直後は
胎児の体力も落ちているため
数日様子を見て
さらに心臓の状態を
詳しく調べる検査と
狭くなっている弁を
広げる措置が行われることになった