あなたはモータースポーツを知らない友人からのこの問いかけにどう答えるだろうか?
恐らくこのブログを見てくださった殆どが「スポーツ」であると答えるだろう。
しかし、私はこの答えが果たして一般化されるものであるのか疑問である。
自分語りになるが、私がモータースポーツを知ったきっかけは2014年にトヨタのル・マン24hの結果を電車内のニュースで見た事がきっかけである。
多くの若いレース好きの方のように両親の影響ではない。それどころか私の両親はモータースポーツは興味がないどころか「危険なもの」という認識だ。
もう5〜6年前ではあるが、父親にタイトルのような問いを投げかけたところ「あんなもん機械を使ってるんだからスポーツな訳ないだろ」と言われたのも記憶に残る。
高校時代にモータースポーツが趣味と担任の先生に個人面談で告げたところ「そんな賭け事見ないで!」と言われたこともある。恐らく、オートレースと勘違いしていたのであろう…
社会人となり飲み会で上司の方とモータースポーツの話題になった際もセナプロ時代を知るのみで「スポーツ」として見ていたというよりライブやフェスのような「イベント」という捉え方で見ていたようだ。
これは私の周辺だけの特殊な事なのかとも考えたが先日あるニュースが流れた。
2026年のロサンゼルス五輪の追加種目としてモータースポーツが落選したことだ。
私は「落選した」ことよりこのニュースの見出しに注目した。
「28年ロス五輪の追加競技、ブレイキンや空手外れる…」(読売新聞 見出し)
私としては一般大衆でもモータースポーツはとっつき易いものであると思っていたため、見出しにすら登場できないというのは衝撃だった。
また、落選そのものもレース文化が普及している欧州(パリ五輪)と北米(ロス五輪)双方ですら実施されないのは痛手である。
モータースポーツは欧州では「スポーツとして」、北米では「興行として」根付いてきた背景からもモータースポーツがオリンピックに含まれない点はスポーツとしても興行としてもある種の否定がされたようなものである。
無論、オリンピックが全てではないという指摘は当然である。日米で盛んな野球、米国最大のスポーツであるアメフト(五輪で実施されるのは危険性を排除したフラッグ フッドボール)、インドを中心に人気なクリケットもあくまでも追加種目であり、サッカーはA代表が参加する方式ではないしラグビーも人数が削減されたものである。
しかし、あらゆるスポーツを行うオリンピックで種目として実施されることは一定の「この競技がスポーツである」という価値尺度としての働きがある。そのため、モータースポーツがオリンピックの競技として選ばれないという点はモータースポーツがスポーツなのかという問いかけにも繋がる。
そのような状況の中で日本のSNS上では「モータースポーツを流行らせよう」「なぜメディアで結果を流さない」と威勢の良い言葉が流れてくる。
だが、私たちモータースポーツのファンはこの日本、いやこの社会におけるモータースポーツの立ち位置について見つめ直すべきなのかもしれない。
そもそものスポーツ全体の興味関心が減りモータースポーツがスポーツという認識も危うい。だからこそ、メディアで流してもプラスの効果が薄い。
悲観的ではあるが、これがモータースポーツの現実なのではないか?
では、どうするべきか?
意図的に外向きに力を使うのではなく、目の前にあるレースに紳士的にかつ全力で楽しむ方がよっぽど良い力の使い方なのではないかと思う。
流行らすのではく、どう楽しむか
各レースもシーズン佳境だ。
ひとつひとつのレースを楽しんで今年を終えたいものだ。

