きわめてよいふうけい


中平卓馬という人間

リアルな日常
 1977年からの記憶、遊び、食事、作品、撮影、人間関係、海岸、
本当に写真を撮るために生きている
あの表情とあの体に迷いはもうない

ほんものの芸術家の姿

華やか、裕福という言葉はひとかけらも見つからず、
ただ、自転車に乗って出かけ、写真と毎日を過ごす。

ドキュメンタリーを再考するきっかけとなった。


さいきん、どんどん人が亡くなっている。
どんどんどんどん。
  こわい。
電車で同じ車両に乗っている人の数を数えてみる。
さらにおそろしさが増す。

日本でも、アジアでも、そしてアメリカでも。
山は崩れ、陸地は海になる。

人は人を傷つけ、
平気で人を騙す。

“戦争”の反対語は“平和”だとおもってた。



煙を 吐き出して

それが 見えなくなるころには

もう 無くなってる

そんな気持ち


葉の上を

雨水の滴る

初春の 朝


鳥の 囀り

柔らかな 風が 

肌を 取り巻く


明日 

嵐の中を 歩くことに なっても 

地が 揺れることが あっても

一つの矢を 握り締めて


進んだ先に 光が見えるから



ほんとうの 気持ちを 

理解することが

こんなに 

勇気を必要とするなんて


いつまでも ほどけない 

からまった紐を 

解いているかのような

そんな想い。


わたしには、

どうしてあげることも できなくて

夜空に 輝く 月のように

ただ 

そっと

あなたを見守る





一日のスパンで見ると 

ほんのわずかな 

約20分間


この時間に 

大きな 津波がやってきて

瞬く間に わたしを 覆いこむ 呑み込む


前触れもなく やってきて 

ひとときの間 

わたしを 現実から 連れ出す


それでも わたしは 

抜け殻なんかにならない、

そう誓う。

もしも 幼いころに戻れるなら、

わたしはしゃぼん玉をつくりたい。


まあるくて 

透明で 

ふわふわ 飛んで

どこまでも 行けそうな

そんな気がして たまらなくて。





息を殺しても 殺しても

なお 溢れ出す 感情を 

丹念に、 惜しむように 紡ぐ夜明け 


玉虫色を放つ糸と 

鴇色をした たくさんの ビーズを 

織り込んでゆく


ひとときも 止まることを 知らない

そして、 この世に果てはないのだと 語りかける

目の前に広がる 大きな川に

すべてを 捧げる

白の感情

黒の感情


自分に素直になること


辺り一面を覆う 薄曇りの夜空は

わたしを迷宮の迷路に誘い込む