志穂Style
Amebaでブログを始めよう!
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

自由

『もうわけがわからない』
『しんどい』
『もういやだ』

剣はそんなことばかりを繰り返した。



ある日剣があたしの家まできたりもしたがその調子だった。


あたしは「そういう事は彼女に相談しなさい」と言った。
「彼女はいないよ」と剣は言うけれど、
彼女がいなければあたしと別れていないと思っていたあたしには、それは嘘にしか聞こえなかった。

何故剣が嘘をつくのか。

そんなことを考えるのも面倒だった。





あたしは、
やっと自由になれたんだ。



そんな風にさえ思っていた。







ライブの日、剣はきた。
彼女を連れて。




「いつまで隠しているつもりだよ」と思っていたあたしは、やっとか、と思った。

そして剣に、

『剣が隠したって、わからないわけないじゃん。
あたしが何年剣の事を見てきたと思ってるの?
あの1週間が何の為の1週間か位わかるよ』と言った。

『さすがです』と半端に笑う剣に、


あたしは満面の笑みで

『お幸せにー(笑)』と言った。








剣に未練はなく、あたしはただ、自由の中で少しの寂しさを感じているだけだった。

仕事

剣と別れてから、
あたしはキャバクラで働きはじめた。

付き合っている時から興味はあったのだが、剣にさらっと聞くと『絶対に嫌だと』いってたので、諦めていた。

純粋にお金が欲しかった。


別れて少しした頃、
昔剣や由香さんとつるんでた時の友達、ミヒロに再開した。

ミヒロはキャバ経験もあり、ちょうど探していたということで、一緒にキャバクラで働く事になった。

初めての事で戸惑いながらも次第になれてきた。




剣と別れてからも
剣からの連絡はしばしばあった。

それは、昔に後戻りしてしまったかのようなメールばかりだった。

おわりの話

8月17日。
あたしと剣の恋愛は終わった。

そのつい1週間位前までは、
お揃いのブレスレットを買ったり、
動物園に遊びに行ったりと、
相変わらず楽しく幸せな毎日を送っていた。

ある日、
あたし達は喧嘩した。
いつもの様に 喧嘩をした。
剣は、
あたしと達也が一緒に音楽をやっているのが、どうしても耐えられない、と。

喧嘩をすれば、いつもそこに行き着く。


いつも同じ喧嘩。


あたしが度々繰り返してきた言葉。
『じゃぁ、別れる?』


次第に心は離れていってたのかもしれない。



そうして、
二人は別れた。


剣は一週間考えさせてと言い
メールで別れを告げられた。
『元カレと音楽をやってるのが嫌だった。』
-じゃぁ辞めたら別れないの?

『そうこうしてる内に好きじゃなくなった。』
-それなら仕方ないね。



正直、『1週間の考える時間』というのは、『他の女と付き合えるか試す時間』なんじゃないか、と思っていた。

剣がそういう男であることを
あたしは知っていた。

そして、
1度か2度、
空白の時間があったことも知っている。



メールで別れてから、1度会った。

いつも通りのあたし。
いつも通り、あっけらかんとしたあたし。
ライブを控えていたあたしは、剣に『もう元カレとか関係ないんだから、ライブきてね』と言った。
『そうだな(笑)』と剣は答えた。

今までのように
二人は笑い
カラオケに行き
そして
笑って別れた。


『また遊びに行こうね。』




それでも気づいたことは

指には指輪が
腕にはブレスレットが
携帯にはプリクラが

なくなっているということ。

ただ、それだけ。


剣が以前言っていたこと

『俺、別れたらプリクラも指輪もみんな捨てる』


二人の思い出を

剣は全部捨てたんだ、と思った。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>