月日が経つのは早いもので





2年と2ヶ月半



長いようで短かったな



あっ



という間だ





なんだろうね

終える前にも思ったけど



達成感とかさらさらねぇな






感慨はあるよ

旅立ちから振り返って

各所での記憶を思い返せば

それはもう、ありとあらゆる想いの形が溢れ出るさ



でも達成感とか皆無でやんの



違うんだよね

ほかの人の『日本一周』がどういうものかは知らんけど

僕にとっての『日本一周』って

極端だけど、ただのノリなんだよね



・日本中の景色とか名所とかを観たかった

・日本一周してるやつに逢った



あっ、そうだ

僕も日本一周しようっと





的なね

ノリだよね、ノリ



それだったのにさ



いろんな方に応援して頂いて

いろんな方に助けて頂いて

いろんな方にご迷惑おかけして



そうやって放浪するうちに



いつの間にか僕の中での『日本一周』という言葉が重みを増していった





人に出逢って

人と別れて

いつも思うことがあった






誰かに助けて頂いた時点で

いや、誰かに応援して頂いた時点で

これはもう、僕だけの『日本一周』ではないんだな






最初にそう思ったのはいつだったかはっきりは思い出せない

でも、明確に覚えているのは岩手の道の駅『石鳥谷』でのことだ



朝起きて一通りお土産屋を物色して、試食してから出発しようとしたときだ

1人の女性に話しかけられた

すごい応援してくれて握手まで求めてきてくれた



それだけじゃなかった



その時に綺麗に折りたたまれたティッシュを渡された

いや、ただのティッシュではない

ティッシュにくるまれたお札だった



僕は今回の旅中、基本的に現金はお断りしていた

お菓子頂いたり、ご飯ご馳走になったりだけでもありがたかったのに

言ってしまえば見ず知らずのどこの馬の骨かもわからない浮浪者に現金だなんて

ありがたいが申し訳なさ過ぎて...



もちろん、この時もお断りした

しかし、その女性はこう言った

『むかし、私もそういう旅がしたかったけど、父親が許してくれなくて出来なかったの。
だから、少ないけど、これで美味しい物でも食べて、私の想いも連れて行って。』



僕には断ることが出来なかった

でも、もしここで断っていたのなら

今後も後悔に胸を苦しめられたことだろうと思う



この時頂いたお金は

女性の意思に反する形で

使うことなく最後まで旅をともにした


あの女性の思いが詰まったお金だから、途中で使ってしまうわけにはいかないよ



これ以降も何度と無くお断りしても仕切れずにお金を受け取ったことが何度かあった

そういう場合、僕は必ず言っていた

『では、もしも万が一にどうしようもなくなったときがあれば使わせて頂きます』



でもさ、そんな状況無いんだよね



野宿して凍えて辛かろうが

お腹空きすぎて体調崩そうが

死ぬわけじゃないじゃん?

どうにかなるじゃん?



そんな一時の苦痛で遣ってしまうなんて勿体無いよね



だからさ、断りきれずに頂戴したお金は

皆様の意思には反するけれど

1銭も使うことなく旅を共にした



たぶん、このお金は一生使うことはないと思う

宝物だ





ブログを見返してみたけど

道の駅『石鳥谷』でのこの女性との話は書いてなかった

きっと当時の僕は、始まったばかりの旅が

それを書くことで重圧を感じることを避けたんだと思う





僕の悪い癖で話が長くなって脱線していくから話を戻すけど

お金に限らず、ご馳走になったりもそうだけど

応援して頂けるだけでも十分だった



だってよく考えてほしい

僕がもし普通に生活をしていたとしたら

日本一周しているだなんてそんな珍妙な奴

冷ややかな目で見送って忘れ去るだけだ



知り合いならいざ知らず、名前も素性も知れない公園で寝てる浮浪者

ホームレスと変わりはないでしょ



そんな奴を応援する?

ご飯ご馳走する?

ましてや、家に泊めたりお金上げたりする?



しないね

僕ならしない

当時の僕ならね



そんなことを考えたらさ

応援して頂けるだけでも、声かけて頂けるだけでも、

嬉しい事この上ないよね



でも、そうやって重みを増した旅なのに

達成感とかないんだよ



もちろん、長く沖縄に居過ぎたってのはあると思う

ゴール前に姉の結婚式で帰ってきてたからってのもあると思う



でもそうじゃないんだよ





思ったんだ

僕の『日本一周』の旅の充実感や達成感は

ゴールしてから感じるものじゃなくて

すでに旅中の日々で感じていたんだよ



そりゃさ、充実した旅終えたら

こみ上げるものはねぇわ

むしろ、虚無だわ



結局、僕にとっての『日本一周』ってのは

旅出た日にチャリに掲げたとおり『看板』でしかなかったわけだ



しかしなんだ、その看板背負ってたおかげで多くの出逢いと経験に恵まれた



旅友達の出逢いが羨ましく感じることもあったけど

それに負けず劣らずの誇らしいものばかりだ



それらを『運命』って言葉でまとめちゃうのはやっぱりあまり好きじゃない



でも、偶然,必然,天命,宿命



言葉で表現するにはあまりにも満ち足りない



どの道、表現力の乏しい僕にはそれに代わる言葉や表現は出来ないけどね






おっと、

だいぶ長くなった



今回はここまでにしておこう



今後特に何書くとかは考えてないけど

旅で終えて思うことを気まぐれに書くだろう



あくまで自分の記録としてだろうけど

読みたい人がいれば読めばいいしね





さ、またくる明日のために寝よう

おやすみなさい

みねいつマンみね