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空を翔ける優しい雲

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「蜜蜂と遠雷」
芳ヶ江国際ピアノコンクールを舞台に、コンテスタントや審査員から裏方までさまざまな視点から音楽や人間模様が語られる作品。




最初に映画から観て、それから原作小説を読むといった順番で作品に触れました。

まず、映画版と原作は似て非なるものだということができます。多くの登場人物が現れて、取っ替え引っ替え、彼ら彼女らの心理に光を当てるといった点は共通しているところですが、原作が文庫本で上下巻に渡る大作を2時間弱に落とし込んだためか、映画版では人物像の深掘りがしにくかったのかなとも感じました。その点が映画版の難点です。

しかし、映画の為に曲をまるまる一曲作ったり、どのエピソードを採用するか検討したりという過程の苦労は伝わってきました。それに、ピアノという楽器の魅力が、青春群像を通じて十分に伝わる内容だったので、満足できる映画でした。




一方の原作はハードカバーが上下二度組みの500ページ以上に渡り、先述のとおり文庫本は上下巻に及ぶものでした。じっくりと読んだのですが、それでもエンドに向かうのが惜しいくらいでした。長い小説にも関わらず、全く飽きるような要素はなく、心理描写も巧みで、素晴らしいと思いました。

エンタメ小説としては、最高峰クラスではないでしょうか。