昔、「日本語なのに全く解読できない😱」と思っていた文章が、

やたら、実感を持って、見開き全部の文に赤線で波を引いている時があります。

ハイデガーの『存在と時間』27節。

哲学者の一番説得力のある主張って、どこかに「個人的な怨念」がこもっているような気がします🤣

キルケゴールも、ニーチェも、そしてハイデガーも、オルテガ•イ•カゼットも、

ざっくり言ってしまえば、こういうことになります。

「みんなみんななんも考えてない馬鹿ばっかり。

(嘆息と虚しさを感じながら)

大衆が家畜化、奴隷化されてなくね？

そして、気が付かないうちに強制的にそこに合わせる暴力的な圧力がかかってね？

やばくね？

だーれも気がついていないし、分かってない‼️

もう、世の中あかんくなる、

いやもうすでに終わってるけど、誰も気がついていない。

なんでこんな奴らの〈正しさ〉に、俺は引きずりおろされなあかんねん。」

キルケゴールは「みんな絶望しているのに自覚がない」と言い、

ニーチェは彼らを「畜群」とまで呼びこき下ろし、

ハイデガーはそういう人を単なる「ひと」(das Man)、責任も人格も持たないで、いざという時にはどこにもいなくなるんだと分析しました。

でも、こんなことを言ってしまったら、波風が立って、白い目で見られ、干され、友達がいなくなるので、

みんながどう思っているばかり気にして右顧左眄し、

他者に「気遣い」まくって、自分を殺して、単なる「ひと」に支配されるようになっちゃう。

「ひと」のわかりやすい事例が、匿名のヤフーニュースやYouTubeの知性のかけらもないコメント欄でしょう。

人間にとって、一番大切なもの、根源的なものは、

一晩経てば平板な「コンテンツ」化されてしまう。

本当に優れたものは、引き摺り下ろされ、

変わったものやとんがったものは平らにならされ

そうして、みんながどう思うか、人がどう評価するかを絶えず気遣っているうちに、

「自分」を生きることができなくなって、

そのまま死ぬ。

でも、そんなことは考えたくないから、先延ばし先延ばし。

ハイデガーの警鐘