2日ほど前になりますが、


インドネシア・バリ島のヌサドゥアにて、

東アジアサミット(EAS)が開催されました。




今回はASEANの10か国に加え、

日本、韓国、中国、オーストラリア、ニュージーランド、

アメリカ、ロシア、インドの18か国が参加。



今回の一番の目玉は、


活動を活発化させる中国の南シナ海問題について



中国はこのような話題は、多国間で解決するのではなく、


二国間で交渉・解決することを望んでいましたが

(二国間だと今までのように金銭的などで解決できるため)、



アメリカが南シナ海問題を議題に上げたことで、


首脳会議は危機回避に向けて、活発な議論が戦わされました。



オバマ大統領は、


この問題に積極的に関与する姿勢を示し、


「航行の自由」の保証や、国際法の順守など、

問題の平和的解決を要求。


中国の行動を法的に拘束するために、

中国とASEANによる行動規範の策定を求めました。



その結果、「海洋の安全保障」に言及した首脳は、

参加18か国中16か国。




温首相に配慮して沈黙を守ったのは

カンボジアとミャンマーの2か国だけでした。




ASEANでは、南シナ海で領有権を巡って係争中の

フィリピン・ベトナム・マレーシアの三か国と、


シンガポールはオバマ大統領と同様、


「海洋の安保問題」だけでなく、

「南シナ海」に直接言及し、

オバマ氏に賛意を示したそうです。




産経新聞は「四面楚歌の中国」とタイトルをつけ、


南シナ海での航海の自由について、


アメリカと中国が対峙した結果、

オバマが終始主導権を握ったと報じていました。



結果、宣言には

「海洋に関する国際法は、

地域の平和と安定の維持のために必須の規範を含む」

という言葉が盛り込まれました。




アメリカは、F16戦闘機を24機インドネシアに供与すると発表したり、


駐留を決めたオーストラリアだけでなく、


対中戦略のかなめとなるフィリピンやベトナム、

タイなどでも寄港、訓練の名目で、


米軍の存在感を急速に高めています。



これは、

今まで日米・米豪・米韓などの同盟の線を足場としていたことに対して、


東南アジアやインドとの協力によって


アジア太平洋をアメリカ主導の「安全保障の網」

で覆おうとしているといわれています。




今回の米中の主導権争いで、今までと違うのは、


対立が経済や安保だけではく、

ルールや価値観にまで及んでいることです。


ここにアメリカがまだ世界のリーダーであるという意地を感じます。




今までは大国の板挟みになるのを嫌がっていたASEAN諸国でしたが、

経済力と軍事力を背にした中国の影響が

これ以上強まることを恐れる警戒感は、


ミャンマーのダム建設中止をはじめとして、徐々に表れてきています。



日本に対しては多くのASEAN諸国から、

「もっと日米豪の東南アジアでの存在感を高めてもらいたい」

という声が寄せられてきていると言われています。



日本が国際的な責任を果たすためには、

中国を孤立させたり封じ込めたりするのではなく、



中国を経済・安保の両面から多国間の枠組みに引き込み、

同じ価値観を共有させることが大切です。


今、日本のTPP参加表明によって、

中国は日本がアメリカ寄りになり、

自国がおいて行かれることに焦りを感じています。



そのため、日本取り込みに動きだし、

日中韓自由貿易協定(FTA)を提案してきています。


19日の日中韓首脳会議では、交渉開始を目指すことで一致しました。



日本はこの機会を上手に利用し、

日米の連携に軸足を置きつつも、国益を最大化させなければなりません。


また中国に対しては、国際ルールの順守を促しながらも、

交渉においては国益をはかる戦略が求められています。




韓国は今回の東アジア首脳会議において、

最大貿易相手国である中国に配慮して、

南シナ海の海上安全保障問題について、

積極的な発言と関与を一貫してさけました。




やはり、日本がやるしかありません。


ASEANをはじめとするアジアの国々の代表として、

日本が役割を果たす時が来ています!