昨日と今日と悪天候が続いていますので、現場は無理をせず工場での加工を進めています。僕はたまっている見積りを一気に。
こちらは石張を修復したいと承った案件の現状。毎年の凍害によりガタガタ。矢印の部分は石が割れています。凍み上がるときに無理がかかって割れてしまったと考えられます。板石を軽く叩いてみると嫌な音。転圧した砕石下地の上にモルタルで施工したのでしょう。冬には気温が氷点下になる地域においては正直この施工では不十分です。そのため弊社では墓地内石張の下地には必ずコンクリートを使用しています。
以前もこういった内容を書いておりました(^_^;)タイトルが記事の内容そのまんま(笑)
真冬には気温が氷点下になる地域なんだから石張の下地は砕石とモルタルだけではダメなんだってば。
ここからがポイントです。
何も工夫をしなければ下地のコンクリートも経年で外柵と剥離して、そこから水が入りいずれは凍害が発生してしまいます。弊社ではそれを防ぐためにこういった工夫を。
外柵に穴をあけてアンカーを打ち込み、コンクリートの中に入れる鉄筋と結束しています。ちなみに写真は結束前(^_^;)このひと工夫により経年での凍害に大きな効果がありますし、何よりかなり頑丈なお墓になります。
その後、写真のようにコンクリートを打設して石張を行います。
ただ。このコンクリートが悪さをする場合がありまして、それはサブフロレッセンスと呼ばれている現象です。コンクリートに含まれる炭酸カルシウムが溶け出し、空気と結びついて石の内部で結晶化して石の表面をボロボロに著しく劣化させてしまうのです。詳しくはこちらを御覧ください。
墓石がポロポロ崩れる?通常の御影石の風化とエフロレッセンスによる破壊の違いについて説明
弊社ではこの現象を防ぐために、コンクリートを使用する作業では必ずこの現象の抑制剤を使用するようにしています。かなり効果があると僕は感じていますね。
というわけで墓地内石張の際の弊社に工夫を御紹介いたしました。まとめるとこんな感じでしょうか。
- 凍害を防ぐために下地にはコンクリートを使用すること
- その下地のコンクリートをさらに頑丈にするためアンカーを使用すること
- サブフロレッセンスを防止するため抑制剤を使用すること
石材店さんによって施工方法も様々。これが必ずしも万全とは言えないかもしれません。(まあ僕はこの施工に自信を持っているけれども。)こういったお仕事を石材店さんに依頼する場合には、せめて下地は砕石だけなのか・コンクリートを使用しているのかは確認した方が良いと僕は考えています。
こちらは南印度洋行さんからお年賀でいただいた傘。
こりゃたまらん(笑)