あの日


君が僕の前からいなくなったこと


それは悪い夢のような話で


突然の出来事






僕があなたの元を離れることを決めたのは


出て行く寸前で


いつも余裕をもって動けない


僕の悪い癖






大好きなあの子に別れを告げられた時は


人生の終わりのように悲しかったが


なんとなくそんな気がしていた








僕の選択の中で


『別れ』を自ら選んだことが


一度だけあった






あなたのいない明日を描いては


まだ見えない空を眺めて


どこか不安に思う気持ちを恥じて


気付かれてしまわないようにと強がった







僕はあなたとの日々を思い返していた







優しいあなただから


そっとしまった痛みがあったでしょう






間違いだらけの日々を


あなたは笑ってくれた







大人のフリをして跳ね除けた


その優しさに


本当は救われていた








あなたのいない日々を過ごして


気付いたことがある





どれだけあなたのことを


大切に思っていたか







いつかくれた言葉が


今頃になって胸を刺す





あの日振り返らなかった僕の後ろで


きっとあなたは泣いていたのでしょう







あなたが車の助手席に


そっと置いていてくれた手紙を


今でも大切にとっています





誰よりも近くで


誰よりも長い間見守り続けてくれた


あなたの切実で真っ直ぐな


僕への言葉に





違うんだと


あなたは何も悪くないし


あなたには本当に感謝しているんだと


あの日に直接伝えたかった









親愛なる母へ





大切と感謝を伝えにいきます


あなたが僕を忘れてしまう前に