社長は自由だな、とよく思う。羨ましいぐらい。
思い立ったら海外へ飛んで、
夜はほとんど家にいない。
スケジュールはびっしり埋まっているのに、
なぜかいつも身軽に見えるのが不思議で。
その一方で、
誰よりも時間に追われているのも知っている。
社長の「5分だけ」は、だいたい30分。
「すぐ終わる」も、やっぱりすぐには終わらない。
少し困りながらも、
それをきちんと形にしていくのが私の役目。
自由に動ける人の裏には、
静かに支えている人がいる。
フライトが早まれば予定を組み直して、
変更があればそっと整える。
機嫌が揺れているときは、
言葉より先に空気を読む。
誰よりも近くにいるのに、
表に出ることはほとんどない。
社長は自由。
秘書は少し拘束気味。
それでも、この仕事は嫌いじゃない。
拘束される側だからこそ見える景色がある。
きっとそれが、ここで綴っていく裏話になるんだと思う。