~梅小路さんの家へ~


 絵から女の子が飛び出してくる・・・梅小路さんのそんな話し。


 私たちは早速その絵を見に行くことにした。


 ”ミッション・呪いの絵を調査せよ”のスタートだ。



 学校一の大金持ちというみさとの言葉に嘘は無かったようだ。


 「すっごい大きなお家だね。」


 高級住宅地にデ~ンとそびえる梅小路御殿・・・といったところか。


 「低級住宅地に住むあたしらには一生無理なお家だねえ。」


 低級って・・・住んでる人たちに失礼でしょ。



 お家の中には可愛い感じのメイドさんが。


 「本物のメイドさんが・・・。」


 くーみーが食いつくかあ。


 「本当にああいうメイドさんのいるお家ってあるのね。」


 「可愛いからあの衣装を着せてるんですわ。」


 なぜかちょっと自慢げな梅小路さん。


 ・・・って、梅小路さんの趣味なの?


 「お嬢様お帰りなさいませ。」

 

 「おお、メイドさん喫茶と同じだあ。」


 みさと行ったことあるわけ?


 「私の部屋へみなさんのお茶をお願い。」


 「かしこまりましたあ。」


 ・・・。


 「?ちとせセンパイ、私の顔になにかついてます?」


 「ううんなんでもないよ~。」


 なんかあのメイドさん、雰囲気がみゆみゆに似てる。


 ・・・みゆみゆの数年後ってあんな感じなのかなとか思ってしまった。



 梅小路さんのお部屋は3階にあった。


 ちなみに梅小路さんは一人っ子なのだそう。


 梅小路さんの言う”呪いの絵”は寝室にあった。


 絵よりも先に大きなベッドが目に入ったけどね。


 「大きなベッドだなあ、ダイビングしていい?」


 「やめなさい。」


 「ぶ~」


 問題の絵があった。


 「これが呪いの絵・・・。」


 幅は50センチくらいかな・・・縦に長い絵。


 そこに描かれていたのは梅小路さんの言ったとおり、赤い服を着た女の子だった。


 赤い服の女の子がイスに座って・・・


 ありがちな絵ではあるけど・・・。


 「何か感じる?」


 「お茶菓子はケーキ。」


 ポカッ。


 「・・・この女の子の顔・・・。」


 真っ直ぐこちらを見ている絵の女の子。


 「・・・なんかちょっと寂しそうに見える。」


 それが私の感想だった。



 ~つづく~