~呪いの絵~


 部室にやってきたのは”梅小路桜子(うめのこうじさくらこ)”という女の子。


 瞳美のクラスメートで、みさとの話しだと”学校一の大金持ちのお嬢様”なのだそう。


 ・・・なんかそんな感じ。


 そのお嬢様が”呪いの絵”を買ったんだとか。


 「祝いの絵・・・。」


 「呪いですわ!」


 「どういうこと?詳しく話してもらえるかしら。」


 瞳美は梅小路さんに席に座るよう促した。


 席に着いた梅小路さんにお茶を出すみゆみゆ。


 ・・・お茶なんてあったんだ。


 「・・・ぬるいですわね。」


 「ご、ごめんなさい。」


 いちいち文句のある人なんだなあ。


 「・・・話は一週間ほど前のことですわ。」


 「その日の晩ご飯何食べた?」


 「たしか外食でフランス料理を・・・ってそれは関係ありませんわ!」


 意外とノリツッコミするんだよなあ。


 「話しを進めましょう。」


 「・・・聞く気あるんですの?まあいいですわ。その日お部屋に飾る絵を買いたいと思い画廊を訪ねましたの。」


 「じゃあ呪いの絵というのはそこで?」


 「ええ、何か面白い絵はないかと尋ねたところ、紹介された絵で・・・一目で気に入ったんですけど・・・。」


 「どんな絵なの?」


 「女の子の絵ですわ。赤い服を着た可愛らしい・・・。」


 「可愛いってちとせくらいか?」


 「なんで私基準なのよ。」


 「あたしの一番だからだ。」


 ・・・。


 「ちとせセンパイ真っ赤です。」


 「ま、まあその方も可愛らしいですけど・・・。」


 「その絵が呪いの絵?何かあったの?」


 瞳美の核心に迫った質問。


 「・・・出るんです。」


 「出る?」


 「その子が・・・絵から抜け出して・・・出てくるんですの!」


 また衝撃の言葉が放たれた。



 ~つづく~