~スクランブル~


 地球防衛軍基地。


 レーダーが未確認飛行物体をキャッチしました。


 「司令、未確認飛行物体接近。」


 「詳細は分かるか。」


 「・・・分かりましたロボットのようです。一直線に町に向かってきています。」


 「ええいどこの道楽者だ。やむをえん迎撃だ。ボウエイダーを出撃させろ。」


 「了解しました。」


 

 ボウエイダー、それは地球防衛軍が開発したスーパーロボットである。


 全長66メートル、重量800tの最新テクノロジーで作られた無敵のメカだ!


 ただし燃費が悪いので、一回の出撃で活動できる時間は12分だ!


 『ボウエイダー発進せよ、ボウエイダー発進せよ。』


 基地に響くサイレンと出撃を知らせるアナウンス。


 ボウエイダーに乗り込む三人のパイロット。


 「システム・チェック・・・オール・グリーン。」


 「出撃スタンバイOK,いつでも出られます。」


 「よし、ボウエイダー発進する。」


 頭上の巨大なハッチが開かれ、エレベーターで地上にその勇姿を現わすボウエイダー。


 背中のバーニアが点火される。


 「ボウエイダー発進!!」


 その巨体が大空へ飛び立っていく。



 「おい!ロボットが飛んでるぞ!」


 誰かの声が上がった。


 「ロボット?」


 外を見る。・・・遠くに飛んでるわね、ロボット。


 「・・・なにかあったのかしらね、アリス。」


 「・・・。」


 ドドドッ!


 ロボット見たさにみんなが窓際に集まってきたもんだから、窓際の席のあたしとか・・・。


 「つぶれる、つぶれる!押さないで!押さないで!!」


 壁とみんなに挟まれたあ!


 ピンポンパンポオオン♪


 「臨時校内ニュースです。担当は明日が誕生日、プレゼント随時受付中の放送部員アサギリ・モエです。」


 知らないわよ!


 「どうやら町に謎の怪ロボットが接近してる模様。地球防衛軍は最近開発したスーパーロボット・ボウエイダーを発進させたようです。」


 やっと静かな自習時間になったと思ったのに、また変な騒ぎが・・・。


 「こうしちゃいられねえ。」


 教室を飛び出していくユウ。


 「ちょっとユウ!自習!!」


 ユウは出て行った。・・・ユウのもう一つの姿は正義のヒーロー見習いなんだけど、正体バレバレなんだから今さら隠れて変身しに行かなくてもいいのに・・・。


 第一防衛軍が出てるなら出番無いでしょうに。


 「じゃあ行ってくるぜ!」


 校舎の外から声がした。どうやら変身が終わったみたい。


 ・・・正直あんまりカッコイイとはいえないデザインなんだけど。おまけに免許持ってないからオートバイも車も乗れないし・・・あれじゃあ仮装大会のマラソンよね。


 ・・・で、どこまで行くつもりなんだろう。



 ~つづく~