~電車に乗って!~
おじいちゃんやレイさんの話しだと、レイさんと同じ精霊さんがあと六人いるらしい。
その人たちに会いに行こうとしているわけだけど・・・。
・・・。
・・・・。
なんだかすれ違う人が私たちの方を見てるんだけど・・・。
なんか顔に付いてる?
お店のウインドウで確認してみる・・・別にいつもの顔だよなあ。寝癖は直したし・・・。
「あの子見て、コスプレかなあ。」
そんな声が聞こえた。・・・コスプレ?
あっ。
レイさん!
そうだレイさんの格好。昨日からずっと見てたから私は慣れちゃってたけど、その格好は・・・。
「レイさんちょっと・・・!」
「はい?」
私はレイさんを人目につかない建物の陰に引っ張っていった。
「あの・・・どうかされましたかアカネさま?」
「いや、私じゃなく。・・・レイさんその服表を歩くには目立ちすぎだよ。」
私に言われて自分の服を見るレイさん。
「そういえば、周りの方たちと雰囲気が違いますね。」
「どうしよ・・・近くにお店あるけど、服一式買う?一応お金持ってるけど・・・。」
選ぶとしたらなるべく高くないもの選んでねレイさん。
「いえ、ご心配なく。私の方で着物は変えますので。」
レイさんはそういってニッコリ笑うとくるっと体を一回転。
わ、服が変わって今風に。
「すごい。すごいすごい!そんなこともできるんだ。」
「はい。」
その能力めちゃめちゃ欲しい。特訓とかしてできるなら是非教わりたい。
服の問題は瞬時に解決したことでまた町を歩く。駅に向かうのだ。
・・・服変えてもやっぱり見られてる。
道行く人の視線の向き先はレイさん。
女の子から見ても美少女だもんなあ。隣りにいる私って引き立て役になってない?
女の子として自信喪失気味になりつつ駅に到着。
レイさんは電車は知ってはいたけど乗るのは初めてらしい。一番最近乗った乗り物は馬車だそうだ。
「馬が引っ張らなくても動くんですね。不思議です。」
物珍しそうにホームに入ってきた電車や停車している電車を見ているレイさん。
・・・電車に乗る精霊さんっていうのも私からしたら不思議なんだけど。
切符の買い方が分からずちょっと困ってたレイさんはなんか可愛かった。
そして電車に乗った私とレイさんは最初の目的地に向けて出発した。
~つづく~