*ここまでに登場した主な登場人物*
・神尾崎アカネ
物語の主人公。貯金とカラオケが趣味のフツーの高校生の女の子。
おじいちゃんのわけの分からない話しに困惑中。
・おじいちゃん
アカネのおじいちゃん。
逞しい体つきのおじいちゃん。
話しによると代々続く封魔師の一族らしい・・・。
・レイ
アカネの前に現れた(実際出現したのは背後)謎の女の子。
名前は”光線”の英語からもじったもの。
~七星ってなによ!?~
突然わけの分からないおじいちゃんの話しに困惑している私の前に新たな謎の女の子が!
今日という日はなんて突飛な一日なんだろう。
謎の女の子・・・おじいちゃんがレイと呼んだその子はほんとに不思議だった。
体からぼんやり光が出てるみたい・・・なんの特殊効果?3Dテレビもここまできたか・・・と言いたくなるところだけど、こっちも隣りの部屋もテレビは無いし。
「初めまして、アカネさま。レイと申します。」
ポカンとアホ顔してる私の前にレイ・・・さんはひざまずき、笑顔を見せた。
レイさんは着物と忍者の服を足して二で割ったような格好をしている。時代劇女優さんだろうか。
「え・・・とあの・・・は、初めまして・・・アカネです。」
しどろもどろ。
「お・・・おじいちゃん、この人は・・・?」
事情が分かってる風なおじいちゃんに聞いてみる。
「うむ、レイといってな、代々封魔師の手助けをしてくれておる七精・・・つまり七人の精霊の一人じゃ。」
・・・精霊?・・・精霊!?
「・・・精霊ってまさかそんな・・・!」
「いや、ウソや冗談などではない。」
もう一度レイさんを見た。格好は時代劇もどきだけどフツーの女の子だよね。
「ふふ・・・百聞は一見にしかずじゃ。明日は学校も休みであろう、残りの精霊たちを集めにレイと共に行くがよい。・・・レイ、頼むぞ。」
「はい、承知いたしました。」
・・・マジですか。
翌朝。
いつもの朝・・・。
「おはようございます。アカネさま。」
・・・いつもの朝じゃなかった。
「レ・・・レイさん!?」
ベッドから跳ね起きた。ベッドの側には昨夜のようにひざまずいたレイさんが待機していた。
「お目覚めですね、アカネさま。」
「あ・・・は、はい。おはようございます。」
「はい♪」
ニッコリ笑顔のレイさん。・・・やっぱり実在の人物か。おじいちゃんは精霊だとか言ってたけど・・・。
「アッカネ~出かけるんでしょ!?ご飯出来てるから、さっさと食べて行かないと帰り遅くなっちゃうよ~。」
ドンドンドン!と雑なノックをしながらそう言ったのはお姉ちゃん。
・・・そういう荒い性格だから彼氏できないんだよ、きっと。
「・・・では私は外でお待ちしておりますので。・・・あの、お着替えお手伝いいたしましょうか?」
「ああ、いえいえ一人でできるから大丈夫です!」
「そうですか、では。」
レイさんは丁寧にお辞儀すると部屋を出て行った。・・・なんか調子狂うな。
お父さんとお母さんは既にお店の準備に取り掛かっているようだ。食堂ではお姉ちゃんがご飯の用意をして待っていた。
「・・・ねぼすけ、出かける前に寝癖ちゃんと直しときなさいよ。」
可愛い妹に対して朝の挨拶がその言葉か・・・。
・・・あ、後ろちょっと跳ねてる。
「大丈夫だよ、ご飯食べたらシャワーするから。」
朝から若干ムカムカしながらご飯を食べた。
・・・ムカつくけどお料理の腕は確かよねお姉ちゃん。
朝食を済ませてレイさんと家を出る。・・・もちろん寝癖も直した。
レイさんと同じ精霊さんの所へはレイさんが案内してくれるそうだけど・・・。
「・・・じゃあいってきまあす。」
玄関を出ようとしたとき・・・。
「ちょっと待ちなさい。」
お姉ちゃんが来た。・・・まだなにかあるの?
「ほら。」
「?」
お姉ちゃんが差し出したのはお守りだった。近所の神社のだ。
「レイがついていれば心配ないと思うけど・・・念のための気休めよ。」
「・・・お姉ちゃん・・・私のこと心配してくれてるの?」
「当たり前でしょ、妹なんだから。・・・気をつけてね。」
・・・お姉ちゃん。
「お土産は忘れないでね。」
・・・お姉ちゃん。
そして私とレイさんは旅立った・・・旅じゃないか。
~つづく~