絵本・オブ・ワンダー ~魂の一冊編~
さて、絵本・オブ・ワンダーのラストは、私の魂の一冊、つまりみうらじゅんさんの言葉を借りるなら”僕宝”というこの絵本を紹介いたします。
その一冊とは、
山中恒さん作、栗田八重子さん絵の「このつぎなあに」であります。
私が小さい頃、もう何回亡母に「読んでおくれよう。」とせがんだことか・・・、その後何回手にとって読んだことか・・・
~あらすじ~
息子が都に働きに出てしまい、山奥に一人残されたお爺さん。
息子は「おとっつぁん、一旗あげたら必ず迎えにくるからな、寂しいかもしれないがそれまでの辛抱だよ。」とはいうものの・・・・
冬が来て、春が来て、夏が来て、秋が来て・・・
「早く迎えに来ておくれ・・。」とただそれだけを想い生きるお爺さん。
そんなお爺さん宅に腹を空かせた狸が、大入道やら大蛇やら大鬼に化けてやってきます。
「やいお爺さん!お握り食わせろ!! じゃないとアンタを食っちまうぞぉお!!。」
最初はビビりまくりのお爺さんでしたが・・・
よく見てみると、その雑で隙の多い化けっぷりに狸の仕業だと気付き・・・
「くっそー狸めぇ!!、よくも騙してくれたな!!」
「けどなぁ・・・。」
ここからが笑って泣いて更に笑って泣いての展開テンコ盛り、で、ラストでのお爺さんからの置き手紙を狸が読むシーン・・・
私は今もここで人っ子一人居ない原野に放り出されたような切なさ・寂しさに包まれてしまうという・・・・
今から6年ほど前・・
その頃、散歩がてらに行っていた{ 荻窪・ささま書房 }という古本屋さんの本棚を何気なく見ていたら”山中恒さん”の名前が目に飛び込んできて、で、即「サムライの子」という文庫本を購入、思わぬ山中氏の著作との再会に軽い興奮状態の中読んだところ・・・
これがまた・・・・あぁ・・・
子供の頃以来この名前にヒットしなかった我がアンテナのポンコツ振りを恥じ入った次第であります。
山中恒さん、貴方の書かれた物語の数々は、私を含め様々な人達の心の揺り籠となっている事と思います・・・
そして栗田八重子さんの描かれた絵は、既に私の故郷です。
深謝。
では時空を横断して綴った私見{ 絵本・オブ・ワンダー }を、この曲で締めましょうかね。
ガンバの大冒険、そのエンディング・テーマです。
白イタチのノロイの怖さ・茫洋とした大海原に漂う無力感・・・そんなニュアンスに圧倒された幼少mozukuganiでしたとさ。
「カモメは唄う悪魔の歌を・帆柱に朝日は登る・けれど夕日は・お前と仲間の・髑髏(ドクロ)を映す。」~サビの歌詞よりの抜粋~
はじめ人間ギァートルズのE・Dテーマもよござんしたなぁ・・・
っとこれ以上進めると、話が絵本からテレビ漫画(私は未だにアニメという言葉よりもこっちの方がシックリきます。)に飛び火しそうなので・・・
”絵本・オブ・ワンダー”これにて幕。