※先に申し上げておきます。
この記事に登場する「子供達」というのは、うちの水子達です。
上の子は妻の連れ水子、下の子は私との水子です。
水子とは、この世に生まれてくる事が出来なかった子供の事です。
彼らは、生まれてきた自分の兄弟達や両親と共に成長します。
その存在を忘れたり、蔑ろにしている人はいませんか?
水子をお持ちのお父様お母様、その子に名前は付けてあげていますか?
もし、まだ無いのでしたら、今からでも遅くないので、きちんと名前を付けてあげて下さい(_ _)
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先日の事だ。
(この記事は再upです。先日=2014年5月の事です)
我が家の下の子が、『あちら側』でイジメられた。
イジメられたというか、正確には“嫌な事を言われた”そうだ。
相手は、他の水子霊で不成仏霊。
親の供養が足りず、下の子が言うには他数名の不成仏霊を連れているという。
確認したところ、3歳~7歳までの子供数名と乳飲み子2人で形成された“霊の集団”。(集合体ではない)
リーダー格の乳飲み子の魂は昭和初期のもの。
両親は共に他界しているが、親がその存在を忘れたため死後も子供を迎えに来なかった。
親が忘れてしまうと、子は帰る場所を見失う。
ふっくらした頬や小さな手、愛らしい姿だったはずのその形は、今や怒りと無念さに歪み、魂は仄暗い気を放っていた。
本来、水子は供養してやると素直なもので、どの子もすんなり上にあがる。
が、親に忘れ去られた子達はそうはいかない。
不成仏の水子達もうちの子同様小さく幼かったが、我が家の子供達は親族からも愛され、供養されて、観音様とお地蔵様に見守られながら健やかに魂が育っている。
下の子を虐めた子供らは、それが羨ましかったのだろう。
けれどね・・・
嫌な事を言われた下の子だって悔しかった。
1歳(当時)になったばかりの下の子は、唇を固く結んで、グッと涙を堪えていた。
いつもは【龍神様】の所に来ると大はしゃぎしているのに、その日はまるで元気が無く、「どうしました?」と聞いても返事をしない。
「何かあったなら言いなさい」と孝姫が聞いて、漸く口を開いた時───
“お前の父ちゃんは鬼だ”
“化け物だ!”
不成仏の水子達にそう言われて、ケタケタ笑われたと話してくれた。
一部始終は私も映像で視たが、その映像を見て、すぐには言葉が出なかった。
自分達がしてもらえなかった事、与えて貰えなかった物を十二分に持っている我が子達。
仕事柄、『彼等は羨ましかったのだろう』という答えは直ぐに出た。
が、私は───
『私の子である貴方が彼らに捕られる事はありませんよ』
───自分の息子に対しても、そんな機械的な解答しか出来なかった。
確かに、それが答えで事実だろう。
だが、私の解答は間違っている・・・・・
本当はそんな事を言ってあげたいのではない。
下の子も、そんな言葉を待っているのではないのだ。
解っているのに、言葉に“優しさ”を込めることが出来なかった。
そんな時だ。
“親”として答えろ馬鹿者め!
【龍神様】の、耳をつんざく様な声が響いた。
下の子の話しを聞き、掛ける言葉が見つからず黙りこくっていた私が、今度は孝姫にどうしたのか尋ねられる番だった。
訳を話すと、「そっか」と小さく呟いた妻。
私は、自分が“鬼”や“化け物”と呼ばれる事には慣れている。
小さい頃から言われてきた言葉だし、今更傷付く様な事でもない。
むしろ「上等!」くらいに割り切っている。
しかし、小さな下の子の、純粋で無垢な魂は、その言葉に深く傷付いてしまった。
孝姫が、口を開く。
「でもね・・」、と。
パパが“鬼”でも“化け物”でもなかったら、あなた達の声はおろか、姿だって視えないのよ?
他の子はこんなに毎日構ってもらったり、お経を読んで貰ったり、一緒に眠ったりご飯を食べたり、お菓子やおもちゃを買って貰ったり出来ないの。
「毎日抱っこしてもらって、声を聞きながらお話をして・・」それが当たり前であるかの様に過ごす事など、本来は出来ない事だと、妻は子供達に語りかける。
下の子は黙って俯き、じっと話しを聞いていた。
孝姫の言葉に、私も思わず俯いた。
そうしているうち、今度は上の子が口を開いた。
「S(下の子の名前)はパパの血が入ってるから色んなモノを引き寄せるんだよ」、と。
「鬼の子って逆にカッコ良くねー?」
「仮面ライダーみたいでさ♪」
上の子ならではの、気配りだった。
私の顔を見上げ、
パパは勘違いしてるよ!
Sは自分が酷く言われた事が悔しいんじゃないよ!
パパの事を悪く言われたから悔しいんだ!
下の子は、遂にポロポロ泣きだしてしまった。
上の子も泣きそうだったが、下の子を宥めているうちにその思いが流れ込んできた妻は、既に号泣していた。
ぶわッという、車をも煽る強風に乗せて【龍神様】の声が響き渡る。
まだ泣いているのか!
泣き止まぬなら喰ってしまうぞ
生者ではない息子達には、【龍神様】の御声は聞こえている。
妻には聞こえないので、人の言葉に直して伝えた。
すかさず妻は下の子の魂を持ち上げて【龍神様】の方を向く。
「いつまでも泣いてると、龍神さんに食べられちゃうよ!」と。
ぐずぐず啜る鼻はなかなか止まらなかったが、暫く【白髭の龍神様】と睨めっこした下の子は、ようやく落ち付いてきたのか、すんっと鼻を鳴らしてニコりと笑った。
もう、泣かないんですか?
うーぅの!
下の子は、ふふっと笑った。
A(上の子)は、泣かない?
僕は最初から泣いてないよ
弟と母の涙に釣られて、自分も泣き出しそうになっていた兄の、小さくて、大きな意地。
「じゃあ、皆で【龍神様】にお礼言おうか♪」
───【白髭の龍神様】は、優しい。
雨を降らせて欲しいとお願いすれば酒を所望し、季節柄のイベントと言えば酒を所望し、遊びに来いとお誘いが来たかと思えば酒を所望する無類の酒好きだが。
次は『ミント+』で。
・・・・・・・御意・・・
もともと龍神は酒好きだが、【白髭様】はその中でも格別だ。
が、今度ばかりはそのお願いも、聞かぬわけにはいかない。
機嫌の治った子供達と、妻の明るい笑い声。
その間を縫って聞こえた風の声に、人知れず返事をして合掌する。
さあ!今日は何をして遊ぶか?
家族で遊びに来るたび、子供達と遊んで下さる【龍神様】。
釣りー!!
我が家のムードメーカー、長男のA。
お芋ほり・・
常にマイペース。
父親の血が濃い次男のS。
釣り竿も芋も無いのだが、調子はスッカリいつも通り。
今日も気の済むまで遊び尽くし、疲れて寝てしまった。^_^;
帰り際、今回は酒の肴が無かった事に不満のあった【龍神様】に呼び止められて、“次は肴も持って来い”と催促されたが、その時に───
「親」を知らぬと言うなら、純真な子らにどう接してやるべきか、それを考えながら自分の「親の姿」を探せばよかろう
そう、助言を受けた。
子供は、親がいなくても育つもの。
現に私は、それで育ってきた。
生き残りたいならば、どんな苦しい心境でも、どこかで割り切って諦めることも必要だ。
自分は妻と結婚するまで、24年間、ずっとそうやって生きてきた。
けれどその過程で、自分は本当に大切なもの、諦めてはいけない物も、いつの間にか割り切ってしまったのかも知れない。
【龍神様】は家族だけでなく、こんな、どうしようもない私の事も最後に救ってくれた。
『どうなりたいかは、自分次第』
【龍神様】の言葉だ。
正直、私は人の「心」がよく解らない。
感情や思っている事はオーラや相を視れば読める。
が、人間の「心」とはもっと複雑なものだと孝姫は言う。
私は今後、子供達の為にも『人間の心』について、孝姫のもとで少しずつ、学ぼうと思う。
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