【史官の本懐『国語』 5】
ある日の『鬼平犯科帳』の放送の中で、
「鬼平殿は恋の指南もなさるのか?」の台詞を聞いて
ウフフと想い、『国語』には、上等の医者は国家の病気
も治すとあるを合点する。
『史記日者列伝』に「古の聖人は、朝廷に居らず、必ず
卜医の中に在り」とあり、聖人が朝廷に居ないなら、
国家の病気は治せないのでは、と思う。
『論語』の温故知新を、『尉繚子』に政治は「民をして
私なからしむるなり」とあり、中国の共産主義国となる
未来を予言していたかのよう、と知る。
小乗仏教典にも、全てを自分のものと思わない事が
悟りの一つ、とあり、その私心を凡人がなくす事は
無理だ、と思われる。
日本も基本は土地や物産を私有制度にして発達して
きた歴史あり。
土地や物産を国家のものとして国民に不平等に分配
するやりかたは、日本でもソ連でも中国でも失敗して
いる。
「民、相軽佻なれば、欲心興り、争奪の患(うれひ)
起こる」(『尉繚子』)
他人の所有物をほしがって「父兄を殺し、人の財貨を
利し、人の子女を臣妾にするは、これ皆盗なり」
(『司馬法』)
秦国のように繁雑な刑法を作り、民が「ひとたび禁を
犯せば、捕縛して刑罰で治める」のは、人君の道
ではない。
「上位者が仁にして下位者が賊し、上位者が義にして
下位者が争うものあらざるなり」、上流が清らかで
下流も清らかであれば良いのですが。
『陸賈新語』にある「戦士は耕さず、朝士は商せず」を
織田信長は読んだのか兵農分離を、また中国の
共産党員は農耕をしないものだと判断したのか?
「朝士は商せず」から、失敗の責任を取らない公務員
に商売をさせてはいけない。
ちなみに食神の共産党の幹部は軍人も商人も産業人
も農民も支配して君臨。
不義・不仁で程度を知らない欲望はよろしくない。
「天の禍にかかれば後無し、妖に徳は勝ち、徳を積む
家は必ず災殃なし」。
ある覇道者は「和尚帯傘、無法無天」だったという。
中国語では「無法」と「無髪」は同じ発音で、頭上に
傘をさすと天が無い、食神に信仰心や仁義なし。
人や動物を犠牲にする覇道が好きなのか、神の化身
の万物・万象を敬愛する温良・恭敬・謙謹にして
天子の智恵を優先する王道が好きなのか。