久々にお電話をして話をしたけど、やっぱりばっちゃんはすごいなぁと思った。
要件をつたえたらすぐ、
「今、何しとる? なんの本作っとるん?」
と聞いてくれる。
「広島のばっちゃん」とは、広島で非行少年にご飯を食べさせ世話をする仕事を続けてきた中本さんのこと。
協力いただいて数年前に中本さんの本を作ってから、私も、季節の果物を送ったり、細々と協力しているのだけれど、中本さんがわざわざその御礼を送ってくださったので、電話をしたのだ。
私なんかのことを忘れないでいてくれているのもすごいけど……。
普通は、自分のことをしゃべるのが先で、相手のことは聞くのを忘れていることが多いんじゃないだろうか?
相手が今やっていることに関心を持って質問できる人がどれだけいるのかな?
「ありがとう、声が聴けてよかった」
電話での最後の言葉が余韻のように残って、あたたかい気持ちになった。
非行少年に愛情をかけて見守ってきた懐の深さが、言葉の選び方ひとつひとつに、にじみ出ている。
……ほんとに、こんな大人になりたい、と思う。