前回は、“働きたいけど壁がある人”の話をしました。
今回はその逆、“働けるけどもう限界”と感じる人のお話しです。

「仕事は嫌いじゃないけど、帰宅したらあとは寝るだけ。平日は自分の時間がない。」

そんな言葉に、うなずく人も多いかもしれません。

銀行員時代のわたし。

当時は暗黙の了解で、どんなに残業しても最大30時間。サービス残業が当たり前の時代でした。

フルタイム（正社員）の人が感じているのは、お金よりも”時間”の限界です。働く量ではなく、働き方の質が問われる時代になりました。

たとえ給料が2割上がっても、自由な時間が増えるとは限りません。
むしろ「期待されること」が増えて、残業時間だけが伸びていく人もいます。

日本では、残業の上限が原則「月45時間・年360時間」と決められています。

たとえば、月30時間の残業でも、1年で360時間。

8時間労働で考えると約45日分の時間です。

フルタイムの人が”もう限界”と感じるのも無理はありません。

もし、毎月45時間の残業を続けた場合は、1年で540時間＝約68日分。

本来は45日分までが原則。

でもなかには、それを越えて働く人もいるのです。

働くことが、暮らすことを苦しくしてはいけない。
「頑張る」ではなく「整える」という発想を、大切にする。
そのバランスを取り戻すことが、これからの働き方のキーワードかもしれません。

――生活のために働いているのか、働くために生活しているのか。

その答えを、もう一度見つめなおす時期に来ているかもしれません。

長井美奈枝（ながいみなえ）

ファイナンシャルプランナー
1970年生まれ。神奈川県川崎市在住。

銀行勤務14年を経て、2007年よりファイナンシャルプランナーとして独立。

金融知識だけでなく、暮らしに寄り添ったアドバイスを大切にしながら、

50代以上の女性を中心に、個別相談やライフプラン講座を行っています。

「お金に向きあうことで、これからの人生に安心を」
そんな思いを込めて、日々ブログを更新中。

「これ以上は無理」って感じること