父は膵臓癌のステージIVで、既にリンパ節への転移がある為、もう手術をしても回復の見込みがないと余命宣告をされました。
4月に入って施設入所を検討していた時に、訪問看護やケアマネの経験がある友人に相談しました。
「自分の生活と親のこと、天秤に掛けられるわけではないから悩むよね。
施設に入っているなら、近くじゃなくても身の回りのことはしてくれるし、顔を見せに行ってあげられたらそれでいいんじゃない?
いざという時に直ぐに駆けつけられない可能性はもちろんあるから、そこは考慮の必要性はあるけどね。
何を優先したいかは人それぞれ違うから、◯◯が納得できるようにしたらいいと思うよ。
もちろん最初に決めたことが絶対ではないから、方向転換は柔軟にすればいいしね。」
「ターミナルになるとね、自分は別室で横になって寝ていても、近くで人の気配とか話し声とか、楽しそうな笑い声とか聞こえてると安心するみたいよ。
自宅ではサービスは密に入ったとしても、それぞれ長い時間いられるわけではないから、そこは難しいけど、施設で常に誰かの気配を感じられる環境は決して悪くないと思うよ。」
と、父や私たち姉妹の生活環境を踏まえた上で助言してくれました。
なるほどね。
私の中で親不孝だとか、後ろめたい気持ち、罪悪感が和らぎ、苦渋の決断に背中を押してくれました。
本当にありがたかった![]()
現在は、看取り段階に入った父ですが、今もこの時の決断に後悔はありません。
少し前ですが、朝のテレビ番組ににしおかすみこさんが出演されていました。
彼女のご家族は...
母、80歳、認知症
姉、47歳、ダウン症
父、81歳、酔っ払い
家族全員要介護。
やっぱり逃げ出したくなることもあるそうです。
そんな彼女の印象的だった言葉を思い出しました。
「自分ファースト。逃げてもいい。」
時には逃げないとやっていられないそうです。
そんなご家族の介護生活を書いた小説。
『ポンコツ一家/にしおかすみこ』
