昨日、HDDの残量がかなり減っているのに不安を覚え、急遽、年末年始に取りまとめたドラマたちをDVDに落とし始めました。
画質を落として録画し直す作業は高速モードでは出来ないため、ずっとテレビでCSIが流れている状況。
そんな中、見ないという選択肢を選ぶ勇気があるはずもなく、そして、5時間分終わっても、やっぱり次も見ちゃう?なんて始めたものだから、今日はずっとCSIデーです。
そのため、昨日は1日中、我が家ではいろんな事件を目撃することができました。
週末のOB会の名残もあり、かなり刑事モードのため、今日はアメリカの刑事事件に関する真面目な話をしたいと思います。
とはいえ、まずはドラマについてから。
『CSI:科学捜査班 』は、本国アメリカで常にトップを守るほどの大人気ドラマで、この人気を受け、『CSI:マイアミ 』、『CSI:NY 』とスピンオフが制作され、それらも全てトップ10に入ってしまうような、大人気ドラマです。
(ついでに、主題歌は全て「THE WHO」が担当し、音楽監督を務めているのも「THE WHO」のメンバー。これで、どれだけの著作権料が「THE WHO」の元には入って来たんでしょうか?あ、宣伝ですが、CSI:マイアミのサントラにはoasisの「Masterplan」も収録されていますよ♪)
CSIは副題からも分かるように、証拠を頼りに科学捜査を進める警察部隊です。
アメリカの警察機構は、以下の通り。
インターポール(これは全世界共通ですね)→CIA→FBI→市警
このドラマで主役となるCSIは市警の一部といったところですね。
<FBIが出てくると、主権争いになる場面をご覧になったことがある方も多いと思いますが、このような機構になっているためです(これは「コールドケース」でもありますよね。)>
CSIは犯罪現場へ直行し、その場の証拠を細かく採取し、分析をします。
『CSIシリーズ』では、そんな日々起こる多彩な事件を、科学を駆使して解決していくドラマです。
シリーズ3作では、タイトルからも分かるように、舞台となっている地域が異なります。
『CSI:科学捜査班』はカジノの街ラスベガス、『CSI:マイアミ』では、マリンスポットでもあるマイアミ、『CSI:NY』では9.11以降のニューヨークです。
アメリカは、国土が広いだけに、各地域ごとに住んでいる人種も異なっているため、犯罪の種類も動機も方法も異なります。
そのため、この3都市を舞台にしたそれぞれのドラマが人気を集めているわけです。
私は、個人的にはマイアミの雰囲気が好きなので、そっちに肩入れして見てしまうのですが、今日本家をずっと見て「おー、さすが本家ラスベガス!」とそっちもファンになってしまいました。NYは、捜査も合理化されてたりして、なるほど、NYらしいなあと思うこともしばしばで、3本とも良く差別化されて作られていると思います。
と、ここから、真面目な話へ。
このシリーズがどうしてこのように広く受け入れられたのか?という背景には、アメリカの「陪審制度」が大きく関わっていると思われます。
このシリーズでは、犯罪現場に残ったほんの些細な証拠から、容疑者逮捕へつながるまでの捜査の過程を細かく描いています。
今日10話近く見ただけで(まあ、マイアミやNYは見てますので、累積したらもっと多く見ていることになりますが。。。)、高校時代に化学をとっていたくらいの私であっても、なるほど、そしたら、これをこうするのね?なんて、いっぱしの捜査をした気になります。
そして、「証拠があればやっぱり強い!」と痛感するのです。
これが長年陪審制度を採っているアメリカで放送されているのです。
当然、自分がそれらの証拠を用いて判断を下さなければいけない状況になる可能性のあるアメリカでは、捜査の方法をかいま見ることができるという意味でも、このドラマは人気の理由になるのです。
そして、そんな国民が3番組とはいわなくても、毎週何話かずつか見るとしましょう。
実際の裁判にどのような影響を与えるでしょうか?
これは本当にあった話ですが、このシリーズのおかげで「物的証拠こそが全て」のような風潮ができ、証拠がないため、実際の裁判で有罪になるべき人が無罪になったこともあったそうです。
証拠は、物的証拠、状況証拠の2つにおおよそ分かれます。
CSIが探すのは、動かぬ指紋などの物的証拠、聞き込みなど、推測できる状況を作り出すものは状況証拠です。
確かに、法律の世界でも、状況証拠だけで判断することは避けられ、物的証拠の有無が罪を左右する傾向にあるのは日本でも明らかです。
ましてや、法律家だけで決定する日本ではなく、陪審員が決定するアメリカではどうでしょう?
アメリカでは有罪か無罪かは、陪審員の心証で決まります。そこで弁護士選びも重要であることは次回触れますが。。。
その裁判について、起訴するかしないかを決めるのは検事であって、CSIは起訴できるだけの証拠を集め、分析し、提出する役目を負っています。
どれだけ苦労して証拠を集めて、時間をかけて分析して、間違った方向へ導かないようにしているのか?というのをドラマで描いているわけですから、それをドラマとはいえ毎週見ている国民からは、CSIに対する信頼は大きいわけです。
ただし、この風潮、本当にいいのかどうかというのは大きな疑問です。
日本でも実際の事件であっても、物的証拠がねつ造されているものだったり、捜査上のミスなどがあって、物的証拠があっても冤罪となっているケースも多々ありますし、実際、物的証拠主義の風潮を恐れてか、CSIシリーズでも、物的証拠とは別人が真犯人であった冤罪のエピソードもあります。
そう、物的証拠だけが全てではない、ということです。
日本でも、近い将来この陪審制度の導入が決定されています。
将来私たちが陪審員になったときに、物的証拠主義になってしまうと誤った判断を下す可能性があることを心にとどめておく必要があるでしょう。
と、ドラマを批判しているようにも読める文章を書いてしまいましたが、私個人はこれらシリーズは大好きなドラマです。
現場の捜査官たちの苦悩などをきっちり描いていると思いますし、このドラマは、公にされにくい捜査方法を分かりやすく説明をしているという意味では、大きな意義があると思っています。
現在のアメリカでは、どのような科学捜査がなされ、証拠が提出されているのか、大いに参考になると思います。
個人的には、次に書く『The Practice』のような法廷ドラマとともに見られることをお勧めします。
『CSI』シリーズが捜査から起訴までの状況を描いているとしたら、その後の起訴から罪の確定まで描いているのが、法廷ドラマだからです。
中でも、『The Practice』は数少ない刑事裁判に特化したドラマです。
この『The Practice』については、次章でいろいろとお話したいと思います。
<続く・・・>
画質を落として録画し直す作業は高速モードでは出来ないため、ずっとテレビでCSIが流れている状況。
そんな中、見ないという選択肢を選ぶ勇気があるはずもなく、そして、5時間分終わっても、やっぱり次も見ちゃう?なんて始めたものだから、今日はずっとCSIデーです。
そのため、昨日は1日中、我が家ではいろんな事件を目撃することができました。
週末のOB会の名残もあり、かなり刑事モードのため、今日はアメリカの刑事事件に関する真面目な話をしたいと思います。
とはいえ、まずはドラマについてから。
『CSI:科学捜査班 』は、本国アメリカで常にトップを守るほどの大人気ドラマで、この人気を受け、『CSI:マイアミ 』、『CSI:NY 』とスピンオフが制作され、それらも全てトップ10に入ってしまうような、大人気ドラマです。
(ついでに、主題歌は全て「THE WHO」が担当し、音楽監督を務めているのも「THE WHO」のメンバー。これで、どれだけの著作権料が「THE WHO」の元には入って来たんでしょうか?あ、宣伝ですが、CSI:マイアミのサントラにはoasisの「Masterplan」も収録されていますよ♪)
CSIは副題からも分かるように、証拠を頼りに科学捜査を進める警察部隊です。
アメリカの警察機構は、以下の通り。
インターポール(これは全世界共通ですね)→CIA→FBI→市警
このドラマで主役となるCSIは市警の一部といったところですね。
<FBIが出てくると、主権争いになる場面をご覧になったことがある方も多いと思いますが、このような機構になっているためです(これは「コールドケース」でもありますよね。)>
CSIは犯罪現場へ直行し、その場の証拠を細かく採取し、分析をします。
『CSIシリーズ』では、そんな日々起こる多彩な事件を、科学を駆使して解決していくドラマです。
シリーズ3作では、タイトルからも分かるように、舞台となっている地域が異なります。
『CSI:科学捜査班』はカジノの街ラスベガス、『CSI:マイアミ』では、マリンスポットでもあるマイアミ、『CSI:NY』では9.11以降のニューヨークです。
アメリカは、国土が広いだけに、各地域ごとに住んでいる人種も異なっているため、犯罪の種類も動機も方法も異なります。
そのため、この3都市を舞台にしたそれぞれのドラマが人気を集めているわけです。
私は、個人的にはマイアミの雰囲気が好きなので、そっちに肩入れして見てしまうのですが、今日本家をずっと見て「おー、さすが本家ラスベガス!」とそっちもファンになってしまいました。NYは、捜査も合理化されてたりして、なるほど、NYらしいなあと思うこともしばしばで、3本とも良く差別化されて作られていると思います。
と、ここから、真面目な話へ。
このシリーズがどうしてこのように広く受け入れられたのか?という背景には、アメリカの「陪審制度」が大きく関わっていると思われます。
このシリーズでは、犯罪現場に残ったほんの些細な証拠から、容疑者逮捕へつながるまでの捜査の過程を細かく描いています。
今日10話近く見ただけで(まあ、マイアミやNYは見てますので、累積したらもっと多く見ていることになりますが。。。)、高校時代に化学をとっていたくらいの私であっても、なるほど、そしたら、これをこうするのね?なんて、いっぱしの捜査をした気になります。
そして、「証拠があればやっぱり強い!」と痛感するのです。
これが長年陪審制度を採っているアメリカで放送されているのです。
当然、自分がそれらの証拠を用いて判断を下さなければいけない状況になる可能性のあるアメリカでは、捜査の方法をかいま見ることができるという意味でも、このドラマは人気の理由になるのです。
そして、そんな国民が3番組とはいわなくても、毎週何話かずつか見るとしましょう。
実際の裁判にどのような影響を与えるでしょうか?
これは本当にあった話ですが、このシリーズのおかげで「物的証拠こそが全て」のような風潮ができ、証拠がないため、実際の裁判で有罪になるべき人が無罪になったこともあったそうです。
証拠は、物的証拠、状況証拠の2つにおおよそ分かれます。
CSIが探すのは、動かぬ指紋などの物的証拠、聞き込みなど、推測できる状況を作り出すものは状況証拠です。
確かに、法律の世界でも、状況証拠だけで判断することは避けられ、物的証拠の有無が罪を左右する傾向にあるのは日本でも明らかです。
ましてや、法律家だけで決定する日本ではなく、陪審員が決定するアメリカではどうでしょう?
アメリカでは有罪か無罪かは、陪審員の心証で決まります。そこで弁護士選びも重要であることは次回触れますが。。。
その裁判について、起訴するかしないかを決めるのは検事であって、CSIは起訴できるだけの証拠を集め、分析し、提出する役目を負っています。
どれだけ苦労して証拠を集めて、時間をかけて分析して、間違った方向へ導かないようにしているのか?というのをドラマで描いているわけですから、それをドラマとはいえ毎週見ている国民からは、CSIに対する信頼は大きいわけです。
ただし、この風潮、本当にいいのかどうかというのは大きな疑問です。
日本でも実際の事件であっても、物的証拠がねつ造されているものだったり、捜査上のミスなどがあって、物的証拠があっても冤罪となっているケースも多々ありますし、実際、物的証拠主義の風潮を恐れてか、CSIシリーズでも、物的証拠とは別人が真犯人であった冤罪のエピソードもあります。
そう、物的証拠だけが全てではない、ということです。
日本でも、近い将来この陪審制度の導入が決定されています。
将来私たちが陪審員になったときに、物的証拠主義になってしまうと誤った判断を下す可能性があることを心にとどめておく必要があるでしょう。
と、ドラマを批判しているようにも読める文章を書いてしまいましたが、私個人はこれらシリーズは大好きなドラマです。
現場の捜査官たちの苦悩などをきっちり描いていると思いますし、このドラマは、公にされにくい捜査方法を分かりやすく説明をしているという意味では、大きな意義があると思っています。
現在のアメリカでは、どのような科学捜査がなされ、証拠が提出されているのか、大いに参考になると思います。
個人的には、次に書く『The Practice』のような法廷ドラマとともに見られることをお勧めします。
『CSI』シリーズが捜査から起訴までの状況を描いているとしたら、その後の起訴から罪の確定まで描いているのが、法廷ドラマだからです。
中でも、『The Practice』は数少ない刑事裁判に特化したドラマです。
この『The Practice』については、次章でいろいろとお話したいと思います。
<続く・・・>