最近のコールドケース、ファイナルが近づくにつれ、被害者が救いようのない人々になってきた気がする。
が、その分、加害者や周りの人々の物語が描かれているので、コールドケースの良さを失ってはいないのだが。。。
今回の事件は、兵学校で1999年に起こった水泳教官の溺死事件の再調査である。
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兵学校などは日本ではなじみがないが、ここは海軍の学校でドラッグや飲酒の問題を抱えた生徒が入ることが多い。ちなみに、陸空軍は士官学校という。
日本が昔そのように分けていたので、日本語ではその名残で今でもそう呼んでいるみたいだ。
もうひとつ、「マルコム in the Middle」で長男フランシスが入れられた学校は、ミリタリースクール。こちらは軍隊学校であって、日本でいう高校のように大学準備+軍事訓練をする学校。そのため、軍隊に入るのは卒業生のうち数人で、ほとんどが大学に進学する。
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さて、わき道にそれるのはこのくらいにして、本題へ。
リリーたちが再捜査をするきっかけになったのは、殺人課に送られてきた1枚の「プラン」というメモ。
そこには、
1.無視
2.ご褒美
3.秘密
4.テスト
5.エスカレート
6.破壊
の6項目が書かれていた。
誰が送ってきたのか、を確かめるため、リリーたちは士官学校へ行き、そこでこの事件が兵学校独自の調査で事故死と処理されていたことが分かり、再調査を開始する。
再調査を行うにつれ、この被害者である教官ナッシュが複数の生徒にこの「プラン」と同じ手口で性的虐待を行っていたことが判明。
そこで、当時、虐待を受けていた3人の生徒たちは、ナッシュのプランを逆にナッシュに行うことでナッシュの殺人を企て、実行に及んだことが判明する。
彼らは当時13歳。
そんな彼らを尋問するリリーたちは、「あなたたちは何も悪くない」と何度も繰り返し、取調べを進める。
そうだ、確かに彼らは悪くない。
というより、彼らは被害者である。
そのときからずっと心に闇を負わされて、とうとう追い詰められて殺人を図ったのだから。
彼ら3人の結束は強く、彼ら3人全てが自分がやったと主張する。
それは、その当時、「プラン」を書いた紙を紛失してしまったため、最初にバレた人が全ての罪をかぶるということで合意していたためだ。
彼らの結束は強かった。。。
だが、取調べが一段落し、リリーたちが第1級殺人で逮捕するかどうかリリーたちが協議しているとき(本当は自白があったのだからしなければいけないのだが、彼らの当時の状況を鑑み、リリーは供述の最後のほうを記述せず、証拠として残さなかったのだ。)、その「プラン」を最初に計画した一人:ドミニクが、署内で自殺を図ったのだ。
どうしても助かって欲しいリリー。
そんなリリーが彼のお見舞いに行くと、そこには事件の日の当直士官が既に彼のもとに。
不思議に思うリリー。
すると、彼は自分が栄誉をたたえられてもらった勲章を持ち出し、
「彼は勇敢だ。これは、彼こそふさわしい。」
リリーがさらに問い詰めると、彼は言う。
「僕は、当時のナッシュと同じ目で少年たちを見ているんだ。だから、僕を閉じ込めてくれ。残りの2人を釈放してくれ!」
リリーが殺人を自供している限り、それは出来ないというと、彼は真実を語り出す。
当直士官は、彼ら3人が去った後、プールでナッシュに求められた士官は、ナッシュが性的虐待をしているのを被害者に相談されていたため、ナッシュを溺れさせ、彼らがナッシュを溺れさせるために利用した用具を片付けたのだ。
そこに落ちていた「プラン」の紙を発見した当直士官。
彼ら3人が最後のナッシュの卒業生になってしまうため、ナッシュの悪行の証人がいなくなってしまうため、この時期になって、「プラン」の紙を殺人課に送ってきたのだった。
しかし、そのために一人の少年の命が危険にさらされてしまった。
当直士官はその場で逮捕されるが、少年が助かるかどうかは分からない。
少年たちは、今の今まで、自分たちが性的虐待の被害者であったにもかかわらず、殺人を犯したという罪の意識を持って生きてきた。
計画を立てたドミニクは、特にその重圧が大きかっただろう。
しかし、最後に手を下したのが自分ではないという本当の真実を知らないまま、自分の命と戦っている。
被害者と加害者、両方の重圧は少年にとってどんなに重荷だったことか。。。
ドミニクが早く意識を取り戻して、真実を知り、気持ちを楽にしてほしい、そして、過去にとらわれない新しい人生を歩んで欲しい、そう願ってやまないエピソードだった。。。
今週は、大好きなTravisの曲が使われていた。
使われていた曲は、「Writing To Reach You」
流れた場面は、ナッシュが少年をいじめる場面だったので、あまりいい場面ではなかったけれど。。。
やはり、オフィーリアの回の「Don't Look Back In Anger」(oasis)に負けるなあ、、、。
あの回、もう一度見たい!!
さて、そんな音楽も秀逸なコールドケースも、来週はとうとう1stシーズンのフィナーレ。
どんなエピソードなのか、ぜひ期待したい。