てめぇ、
 よくも俺の弟分を…
  
 死ね!!



俺がヤクザなんか始めたのは、
高校生のころだったか。


ちょっとした金持ちの三男坊に生まれ、
出来のいい兄貴たちに囲まれていた俺は、
親に見向きもされなかった。

学校をサボり出した時だって、
何も言われなかった。


すべてが嫌になっていた。
すべてをめちゃくちゃにしてやりたかった。

そして俺は、ヤクザの道に足を踏み入れた。


俺は思いのほか、その世界でうまくやっていけた。
気が付けば、
部下ができて、若頭にまでなっていた。

みんな俺を頼ってくれた。
俺も部下たちを弟のように思った。


だけど俺は、
自分自身の手で、それをぶっ壊しちまった…


俺は、他の組への襲撃を計画していた。
お頭には反対されたが、
独断で部下たちを連れて、やつらの元へ向かった。

だが、俺の考えはやはり甘かった。
俺の計画は、全部やつらに筒抜けだったんだ。


冷静さを失った俺は、
背後に迫ってくる連中に、気づきもしなかった。
そして、とっさに俺を庇おうとした部下の一人が、
刺されて死んじまった。


 てめぇ、
 よくも俺の弟分を…

 死ね!!


逆上したまま飛び込んだところで、
勝ち目なんてなかった。
あっという間に刺されて、俺も死んじまった。
バカだよな。ホント。


それから、この霊界空港に来た。
いつからだろうか、
俺なんかのことを慕ってくる奴らもできていた。

メソと部長だ。

あいつらといると、
なぜか静かな気持ちになれた。


俺はもう、
誰も失いたくはない。

メソは明日いなくなっちまうが、
俺も、一日でも早く仕事を片付けて、
天国行きのパスポートを手に入れてやる…


…ちょっと話し過ぎちまったな。
今の話は、あいつらに言うんじゃねぇぞ。
なめられたくはねぇからな。

じゃあな。あばよ。



~三田祭まで残り2日~



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