始クンが入院してから


























約一年が立とうとしていた・・・。





























遅くもなく早くもなく





月日は過ぎていった
























・・ただ。





















毎日思い出してしまう






















始クンの動いていた最後の姿






















学校が終わってから

毎日お見舞いに行くたび







始クンの顔を見るたびに













思い出してしまう






















あの時、あたしが・・・・・。























ずっと、無念でたまらない。
















たまに死んでしまいたいくらい

苦しい思いが迫る











そういう時、必ず

夜の夢は悪夢。
















始クンがぼろぼろになって





血まみれになりながらも



あたしに手を差し伸べようとしている






夢をみる・・。

















泣きながら起きて

あたしは何度も



ごめんねって言い続ける











あたしが犯してしまった事は


これほど罪が重いんだ












始クンは生きれないかもしれない













もしも、生きたとしても





眠りについていた月日は長い。















始クンはまだ・・・






中学生で、進路を決める大事な時に・・





















あたし、わ・・・。
































そんなある日


























「アキ、ちょっと話がある!!」























懐かしい声
















ああ・・




















青葉・・・・。



























一年たって化粧もし、背も一段と伸びて

大人になっていた





















「あの・・・すなお・・の事なんだけど・・!!」























「・・すなおが、何?」






















「何? ってお前・・




最近学校休んでるし・・





見舞いは!?」
























「行ってない」
















すなお・・・。
















始クンの事件以来ほとんど会話した覚えがない









あたしはそれどころじゃない







始クンでいっぱいなのに・・。













「すなおが学校休んでいたのは知っていた・・








 ・・だけど






 あたし、今そんなすなおに気に掛ける暇ないんだよ・・」


















冷たく言い放ったあたしの言葉を聞いた青葉は




眼の色を変えて


あたしの顔をビンタした














「・・・あんたぁ!!


ざけんなっ!!







すなおがどういう想いで今・・・!!!」













青葉の真剣な目






始めてみた






しかしその瞳には涙の色もあった














そして青葉は口を開き























「すなおは・・・









やめてえ!!!









青葉の後ろに


弱弱しく歩くすなおの姿があった
















いつの間にあんなにやせてしまったのだろう










顔も、、青白く・・・・。

















寒気がした








すなおの変わりように・・。




















すな・・お・・」















青葉も驚いた顔ですなおを見た

















「やっやめて!!





アキには関係ない!!






おっ・・お願いだから言わないで!!!」














頑張って大きな声を出そうとして言っているみたいだが





なかなか声が出ないらしく





小さく聞こえた



















「すなお・・何が・・・。」


























胸が苦しい















あたしは今まで何してたんだっ・・・




















ピピピピピピ・・




















ポケットの中に入れてあったケータイが響く






















この音は病院からの着信・・・
















まさか












始クンになにか・・・!!!



















そう想うと日汗が出た


























あたしはとっさに走った



























二人は声をかけようとしたけど




それを聞いてもいられないし










またそれどころじゃなくなった























そしてあの時














忘れもしない






















あの・・















すなおの表情・・
















笑ってもなく







希望をなくした顔をしてた・・































でも気にかけてはいけないと自分の中で





必死に言い訳をし病院へかけばしった





























そして・・・・始クンに変化が・・・・!!!!



























次回!!「始クンの願い」





















 


 聞こえる





















 誰かの声が聞こえる


































 ああ・・


















 甘い声だ・・


























 その甘い声は苺のように






甘酸っぱさな声だった



























 妙にちゃんと聞きたくなって






















目を覚ました。


























「・・・アキ!!」



























 すなお・・・













 


最初はぼーっと見つめていたが












 すなおの顔を良く見たら泣いていた




























あれ?

























 なんで泣いているのだう




























あれ?














なんであたしべットにいるの??




























わけのわからない顔をしていたのをすなおはわかったのか


















こう、真剣にあたしに告げた































「あ、あの。。始ク・・
















まだ言いきれてないセリフを最後まで聞く前にあたしは反射的に体を動かし病室を飛び出た


























始クン・・・・!!!






















そうだ、あたしをかばって・・・!!!

























徐々に記憶が戻ってきた























早く無事でいる始君を見ないと全て壊れちゃいそうで





















無我夢中で走った


















彼はどこにいるのかわからないのに





















冷静にならなきゃいけないってわかってる










でも体がどうしても動いてしまって・・・





















混乱したまま走り続けたらすなおがあたしの手を掴んだ








































「・・・はあっ はあっ アキ・・落ち着いてよ・・」









あたしを見失わないよう頑張って追いかけてきたすなおは髪が乱れていた
















「始クンは? どこにいるの? 今何してんのかな? ねえ!!」













あたしは強くすなおの肩を掴んだ














正気じゃいられなかった


















肩を強く揺すっていたあたしの手もみずに目を伏せた



























「始クンは、102号室よ・・」










冷静に言った。

























あたしは聞いた途端また走ろうとしたとき















すなおはあたしの手を掴んだ

















「どうして すぐ始クンの所に行くの?


こう言うのもなんだけど・・






私、アキが眼を覚ますまで





あたしは眠らずにずぅっと傍にいたんだよ!?









始君なんか・・アキの傍にいなかったじゃない!!




なんでいつも・・





私じゃなく始クンなの?」









すなおの目からまた涙が出そうになっている
















だけど あたしは 






















「ごめん・・・」















手を振り払う


















始クンの事だけを考えて走った











すなおの事を考えてしまったら


















今、しようとしている事を迷ってしまいそうだったから。




























102号室・・・・。





















あたしは102号室の前に立った


























始クン、無事でいて・・・。











その想い一心に目をつむってドアを開けた



































何も音が聞こえない


























もしかして 始クン・・












不安になって目を開けた













そしたらそこには




























静かに眠っている始クンがいた













右腕がなかった。











しかし、始クンは生きていた













心臓震源図が動いていたのだ
























良かった・・・!!





















まだ、覚ましてないだけだったんだ!!




















喜びのあまり涙が出た












 



すぐ 始クンのとこへ行って寄り添った



















「いつになったら起きてくれるかな・・ 始クン」












ぽつり あたしは始クンに言った













その時













医師の人が病室へはいってきた















思わずあたしは立ち上がった
















あたしが言う前に医師が


















「・・・・彼は命の別状はないんだ










 しかし









強く頭をぶつけてしまって・・・














植物人間になる可能性もあります・・。












意識が戻る保障はありません。」





















「・・・え?」


















「植物人間とは、頭は生きているのですが、体が死んでいる状態です。





 つまり、話したり 動いたりはできないのです。




 寝たきり、ということです。




 今、まさにその状況です。」






















「そんな・・・」













あたしは愕然とした




















もう二度と













話すことや













抱きしめあったり













愛し合う事は出来ないの?





















始クンの方を見て

















小さな決意をした


















「・・あたしはたとえずっと始クンが起きないでいようが





一生かかっても






始クンの傍にいる・・・!!」

















さっきまで嬉しくて泣いたのに








変だね今は凄く切ないよ




























 始クンが どんな姿であっても







あたしは傍にいる








   目を覚ますまでは必ず・・・!!























次回!!「時の流れの変化」