その夜は
彼とロマンティックな時間を過ごし
彼の腕に抱かれてゆっくり眠る
はずだった
その予定だった。
のだが
そんな馬鹿な!!!
と神様に問いかけたくなる珍事件が次々と起こり
結局ひと晩中、新喜劇みたいなドタバタを繰り広げ、空が明るんできた早朝5時を迎える頃、私は眠い目をこすりながらずぶ濡れの髪の毛を一つにくくり、ノーブラノーパンどすっぴんパジャマという、実家でもありえないような格好で彼の友人が運転する車に揺られていた。
片道1時間かかる場所に住む彼の弟の家に向かっているのだ。
いや、もう、なぜこんなことに!?
詳細をすべて記すと長くなるので何が起こったかは割愛するのだが
とにかく、彼の弟が持っているというスペアキーをもらわないと私たちは家に入れない。
できればこんな状態で彼の友人や家族に会いたくはなかったのだが、不可抗力だ。
運転する彼の友人が私に話しかけた。
「君に出会って2週間後にこいつが東京へ会いに行くと言い出したとき、俺はクレイジーすぎると思ったんだけど、その1ヶ月に今度は君がここに来てる。君もだいぶクレイジーな人だ。」
そう言って、
ははは。と笑っていた。
本当にそうだ。私も彼をクレイジーだと思った。
言語、文化、職業、年齢、遠距離…
そういう様々な問題と、当日の私のスケジュールをフルシカトして会いに来た。
そして今はもう十分、私も彼に感化されてクレイジーになっているらしい。
1時間ほどして彼の弟の家に到着し、
鍵を受け取ってからまた1時間かけて彼の家まで戻ってきた。
すでに朝日は昇り切っている。
やっと眠れる・・・・
彼はひたすら申し訳なさそうだった。
こういうトラブルが起こった時には人の本性が垣間見えるというが
トラブルの中で見た彼は終始冷静で、優しく、頼りがいのある男性だった。
やっと暖かいベッドに入ることができた私たちは
ベッドの中で体を寄せ合って昨日の夜を振り返った
もうまったく・・・なんて夜だったんだろう。こんなことになってごめんね・・
と彼が謝ってくるので
うーん。確かに大変だったし、眠いけど、
でも、特別な夜だったと思う。
と返した。
どんな問題も、あなたとなら一緒に笑って乗り越えられるのかもしれない。
実は僕もそう思ったんだ。
僕たちは勇敢なTeamだね。
そう言ってクスクスとベッドで笑い合う時間は
甘すぎて溶けてしまいそうだった。
不思議な達成感と、疲労感と、彼の体温で夢の中に落ちていく。
明日、目が覚めたら彼と話そう。
私たちの今後について。