記号とノームコア | ミミコーポレーションのブログ

ミミコーポレーションのブログ

表参道で賃貸仲介を行っております株式会社ミミ・コーポレーションのブログです。
ホームページでは公開出来ない、スタッフの生活や、物件の裏情報なども公開予定です。

もうすこし古いと思いますが、
昨年はよくノームコアという言葉を耳にしました。

究極の普通とか、定番のアイテムばかりの簡素なファッションスタイルの事だと思うのですが、
自分が特別な存在ではないと認識する機会が増えた事と、
若い方がファッションで自分を表現する必要が薄まった事が原因ではないかと思います。

例えば20年前、パンクが好きな人はパンクの格好をして個性を表現していたとします。
そしてそれはおそらくクラスに一人しかいない。
おおパンク好きなんですねとなる。
ファッションでしかアピール出来ないというか、アピールしやすい。
今でも徹底しているのはさかなクンですね。

今は同じ趣向のコミュニケーションに容易にたどり着ける。
そうなるとその中では全然極端ではない普通の人間である事を自覚する。
(例、クラス一の魚好きは、さかなクンの存在を知って生ぬるい魚好きだった事を自覚する)
普通の人間なんだから着る物も普通じゃないとバランスが取れないというか、格好悪い。
でもちょっとこだわりは見せたいというのが最近言われていたノームコアじゃないかと思う。

思考、嗜好、美意識、センス、財力などを表現する媒体として、ファッションの占めるウェイトが薄れたと言う事でいうと、
それに代わって表現する手段が増えた事が要因ではないかと思う。

他の記号によって自分を表現できるようになったからではないかと思う。
体験や居場所での表現ですね。

中目黒で桜を見るだけの人はあまりいない(多分)
写メ撮って、SNSにアップするまでがセット(多分)

夏場のホテルのプールでのUPは非常に多い、
昔、若い人がヴィトンのバッグを持って少し自慢気にアピールしていた層と同じ心理ではないかと思う。

お洒落なカフェばっかり行っている人はハッシュタグで自分の好きな世界をアピールしている。
記号で自分を埋め尽くし、自分をアピールする。
そして当然ファッションはその中の一つの要素に薄まった。

着る物ばかりでなく、食べる事や、住むとこや、
何より、体験や経験をアピールするという事は自己顕示欲や承認欲求だったとしてもそんない悪い事ではないかなあと思います。

そして、書いていて心の底からのさかなクン好きを自覚した次第です。


遠藤康志