父の膵臓癌がわかってからというもの、私は「癌」「命」「死」「生」というものに対して、物凄く向き合って過ごしてきました。
向き合うことで、今まで考えもしなかった事がたくさん見えてきたり、泣きたくなるような辛い事もあったり、とにかく色々な事に対する気づきや学びがありました。
介護をしている間は、父の身体の辛さを少しでも軽減させることに重点をおきながら、父の意志を出来るだけ尊重できるように行動しつつ、自分も倒れないようにしなければ!と思いながらとにかく必死でした。
でも、父が亡くなって徐々に色々なことが落ち着いてきて、今となっては
「私は父に介護させてもらえたんだ。」
という感謝にも似た気持ちが自然と持てるようになりました。
介護中は悩みが尽きず、父のgoing my wayな行動にイラっとしたり、かと思えば、ふいに見せる父の笑顔を見れて幸せな気持ちになったりと、色々な感情を味わい、そこから学んで得るものがたくさんあったなぁと、今だからこそ振り返って思う事が多々あります。
それと同時に、後悔ではないけれど、もっとあぁしたほうがよかったんじゃないか?こうしたほうがよかったんじゃないか?と、タラレバのような事を思う事も、正直少なからずあります。
そんな時に、江原さんのあなたは「死に方」を決めているという本を見つけました。
なんだか怖そうなタイトルだなと思いつつも、とても興味を惹かれたので読んでみたら、今の私に必要なメッセージが沢山書かれていました。
亡くなった後の魂の行方、正しい供養の仕方、あの世とこの世の概念etc・・・
江原さんだからこそわかるこの世の本質と死後の世界について沢山書かれていて、本を読みながら心に刺さる言葉を噛みしめ、そのたびに父の事を想い浮かべました。
私がしてきたことは間違っていなかったんだ、これでよかったんだと思え、本を読んで心が救われるような気持ちでした。
私のように大切な人を見送った人、あるいはこれから見送る人
余命宣告を受けた人
死んだら終わり、死が怖いと感じている人は
読むと少し気持ちが楽になるかもしれません。
「死」って、不幸だとか、不吉だとか、縁起が悪いと言って、どうしてもネガティブに捉えられがちで、避ける傾向にある人がほとんどだと思いますが、本来はしっかりと向き合うべきことだなって思います。
こういうことを、学校の教育で教えてくれたらいいのになって思うくらいです。
本を読んでて一番興味深かったのは、江原さんが緩和ケア病棟に勤務するチャプレンの方(患者に寄り添い魂の痛みを癒す人)と対談するページでした。
このチャプレンの方は霊は視えないですが、今まで何千人という患者さんを見送ってきた経験から、死期が近い患者さんの心情をよく理解されています。
また、死期が近い患者さんが見せる行動にも共通点があるということを話しておられ、その話の内容が江原さんの霊現象の話と一致しているのがとても興味深かったです。
この本を読んで、自分もきちんとエンディングノートを書かなければと思いました。
若いとか、高齢だから、病気じゃないからとか関係なく、人はいつ死ぬか本当にわからない。
遺された人が困らないように、また自分の為にも書くべきだと痛感しました。
エンディングノート、書いている方ってはたしてどれくらいいるんでしょうか・・・