父が福島の温泉施設で療養を始めて1週間ほど経ちました。

父は、まだなんとか生きています。

施設での父の付き添いを父の友人へバトンタッチさせてもらい、私だけ3日に東京へ戻りました。

父の体調はというと、岩盤浴の効果は今のところあまり見られず、むしろ身体が徐々に弱ってきています。

おそらく、単純に身体の細胞が弱ってきているのだと思います。

布団から起き上がるのが辛く、そこから立ち上がるのも辛いし、歩くのも当然辛い…

自力で立って部屋の中にあるトイレへ行くにも、ものすごく時間がかかっています。

なので、施設内の移動もほぼ車椅子になりました。

先日、父が岩盤浴から出る際に立ち上がることができず、私が手を引っ張ったのですが、それだけでは無理で、それを見ていた男性2人(宿泊客の方)が助けてくれる、という出来事がありました。

私は、この出来事を通してはっきりとこう思いました。


もう、私一人では父の介護はできない。


父は、私がこんな風に感じていることなんて考えもしないのか、ちょっと笑いながら


助けてもらっちゃったな(^◇^;)


と言いました。


私は当然笑えず、真顔でそれを聞いてました。

父は、自分の身体がどれほど重症で、私を含めた周りに迷惑をかけているのか、あまりわかっていません。

私は娘なので、多少の迷惑をかけられるのは別に構いませんし、父の要望にも出来るだけ応えてあげたくて、これまで色々と最大限にサポートもしてきました。

でも、今の父の身体の状態では、私のメンタルと体力だけではフォローしきれないのです。

父は、いつも口では私や周りになるべく迷惑をかけないようにしたい、私や旦那に迷惑をかけていて申し訳ないと言いながらも、潜在意識下では迷惑をかけていいと思って生きている人間なんです。

私がこう感じたのは、今に始まったことではなく、父の今までの行動を見てきての結論です。

人間、時には周りに迷惑をかけてしまうことは多々ありますし、助け合いながら生きているわけですが、父の場合は度が過ぎているんです。

自分のやりたいことを貫き通す為に、相手を自分のペースに巻き混んで、上手い具合に協力させるタイプ。

私は、自分が好きで父の面倒をみているので、巻き込まれているとは思っていませんが、今まで関わってきた仕事関係の人や、特に部下の人達なんかは振り回されて大変だったと思います。

私の母親も、父には苦労したんだな〜と、今になってそれがわかります。

社長ってそういうタイプの人じゃないと務まらないのかもしれませんが、父はとにかくそういう人間なのです。


それが、まさに決定的になった出来事がありました。


前回の温泉療養から帰ってきた時に、私にこう言いました。


「〇〇くん(私の旦那)に、一度嫁に出したけど、死ぬまでみみのこと借りていいか?って聞いてみようと思ってる。」


と言いました。


これを聞いて、私は正直ひきました…。


この人は一体何を言ってるんだ?

私の意志は無視かい?

私の人生どう考えてるの?

自分が重い病気で死ぬかもしれないからって、健康に生きてる人の人生に負担かけていいわけじゃないよね?

みみに迷惑をかけたくない、みみはお父さんの面倒を見る為に生まれてきたわけじゃない、とか言ってなかったっけ?


あぁ…もうこの人は、娘の人生を多少犠牲にしてでも、なんとしても生き延びたいんだな。

って思いました。


それ以来、父のことを少し冷めた目でみるようになり、見捨てることはしませんが、こちらもそれなりに対応していこうと思いました。


病気というのは、その人の本質を顕著に表しますね。


生きることに対する執着心がここまで強い人だとは、正直思いませんでした。


ある意味尊敬に値しますが、周りに迷惑かけまくってまで、生き抜こうとする様は、ちょっと見苦しいなと思いました。