アッサラーム アレイクム!

ご訪問ありがとうございます。

 

新年早々、我が家にはとても嬉しい事がありました。

私のエジプト人の夫は4年前に、

「突発性血小板減少性紫斑病 (とくはつせい けっしょうばん げんしょうせい しはんびょう)」

と言う血液の成分の1つである血小板が少なくなる難病を発病しました。

英語では、Idiopathic thrombocytopenic purpura、(ITP)と言います。

幸いなことに良性疾患ですが、治療が遅れれば命の危険もある病です。

血小板数の基準値は、1ミリ立方メートル中に13万~37万個です

血小板の数は、μLマイクロリットルで表示されます(1μL = 1 mm3)。

本日の夫の検査の結果は15万μL。発病以来初めて、血小板数が基準値に入ることができました。とても嬉しいです。

 

健康な方にはあまり馴染みのない血小板ですが、とても重要な役割をもつ血液成分の一つです。

 

本日は、血小板についてお話ししたい思います。

なお、血液や病気の話が苦手な方はご遠慮くださいますようお願い申し上げます。

 

さて、血小板には出血を止める役割があります。

けがをしても、時間がたてば出血が止まるのは血小板のおかげなんです。

健康な方にとっては、血が止まるのは当たり前な事です。

ですが、血小板数が5万μL以下になると血は止まりにくくなります。

2万μL以下では、出血や「紫斑(しはん)」と呼ばれる内出血(皮下出血)による青アザが体中のあちこちに見られるようになり、

とても危険な状態になります。

 

夫が50歳の誕生日を迎えた直後に風邪を引き、咳をした時に血がにじんだのをきっかけに検査に行きました。

思い返すと、その半年前にひどい気管支炎にかかり、その時のウイルスもしくはその時の抗生物質が原因だったのではないかと思っております。

 

【病院1件目】

・検査:①CBC血液検査 ②腹部超音波

・結果:血小板数は6万μL。

ヘモグロビンと白血球が基準値以下。

肝臓、胆嚢、脾臓、膵臓、腎臓、膀胱に異常無し。


以前、日本の家族にも紫斑病になった者がいたので「紫斑病だ」と私はすぐに分かりましたが、紫斑病に詳しい先生がおらず、1件目では対応していただけませんでした。

 

最初の血液検査から3日後には、両足に紫斑(しはん)と呼ばれるアザが見られるようになりました。ぶつけてもいないのに、歩く度に皮下出血を起こし紫斑が増えていきます。両足が痛み、歩くのが困難になりました。 


病院とトイレに行く以外はベッドから降りないよう、夫に指示しました。 


鼻をかむと血がにじみ、咳をすれば血がにじみ、歯茎からも出血、採血後の針跡も直径 3〜4cm 位に皮下出血しました。

悪夢のようでした。

 

【病院2件目】(1件目から3日後)

・検査:腹部超音波

・結果:異常無し。

・処方箋:①鉄分剤(貧血対策)

 ②ビタミンB12(赤血球細胞の形成他)

 ③ビタミンK(血液の凝固作用)

 

2件目でもそれ以上の治療法が見つからず他の病院を当たることにしました。

 

【病院3件目】

・検査

①CBC血液検査 

②腹部超音波 

③ピロリ菌検査

(ITP患者のピロリ菌感染率は60%。ピロリ菌を除去作用を行うと、40~60%で血小板数が増加する傾向があるそうです。)


・結果:4.2万μL、

ヘモグロビンと白血球が基準値以下。

腹部超音波異常無し。

ピロリ菌検査「陽性」反応。


・処方箋:ピロリ菌除去の為の抗生物質 Heli-care を4週間コース

 

・ピロリ菌再検査: 服用中止から4週間後

・結果:陰性

 

・ピロリ再々検査:再検査から1週間後

・結果:陰性、よってピロリ菌除去成功

 

ピロリ菌を除去できたので血小板の増加を期待しましたが、それでも減少が続きました。

3件目の病院で、首都カイロでの骨髄検査を勧められましたが、同時期に友人の紹介で「別の病院にいいお医者様がいる」との事で病院を変える事にしました。

 

【病院4件目】

・検査:CBC血液検査、腹部超音波検査

・結果:2.8万μL、

ヘモグロビンと白血球が基準値以下。

腹部超音波異常なし。


4件目にしてようやく何とか対処していただけるお医者様に出会う事ができました。

発症からすでに1ヶ月半が経過し、血小板数は2.8万μLまで下がってました。2万μL以下で出血すれば危険な状態に陥ります。

 

治療が始まりました。

目標は、致命的な出血を回避する為の血小板数3万μL以上を維持する事です。

出血しないよう体をぶつけたり、けがをしない事が何よりも大事です。

 

【処方箋 A】コントロロック 40 mg 

朝食前に胃を保護する為のお薬「コントロロック 40mg」を服薬した後に、ステロイド薬である「プレドニン錠 20mg」を服薬します。

胃を保護するお薬 「CONTROLOC 40mg」の 成分には、パントプラゾール40mgと書いてあります。

 

【処方箋 B】プレドニン錠 20 mg(いわゆるステロイド薬、合成副腎皮質ホルモン剤。優れた抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用などを発揮します)

詳しくは、こちらをご参照くださいませ↓

 

【ステロイド治療前の結果】

1. 咳をして血がにじみ初めての検査→6.0万μL

2. 1ヶ月後→4.2万μL→ピロリ菌除去治療へ

3. 40日後→5.6万μL (ピロリ菌除去後、増加)

4. 1週間後→3.1万μL

5. 1週間後→2.8万μL→ステロイド治療開始


【ステロイド薬服用後の結果】

①プレドニン20mg 1日1回、合計20mg×10日後→4.3万μL


②プレドニン20mg 1日1回、合計20 mg×20日継続→3.8万μL


③プレドニン5mg、1日3回、合計15 mg へ減薬×1週間後→2.8 万μL


④プレドニン5mg、1日3回 合計15 mg 継続×10日後→3.8万μL


⑤ステロイド薬を服用してもなかなか増加しない為、首都カイロで骨髄検査を受けました。ステロイド薬を飲み始めから約1ヶ月半後です。

・骨髄検査の結果、異常なし。

・血液検査の結果、異常なし。

・血小板数 5.8万μL、一気に増加しました。

その時の検査結果の詳細はこちらです↓


⑥プレドニン5mg、1日3回 合計15 mg 継続、2週間後→8.1 万μL 


⑦プレドニン5mg、1日3回 合計15 mg 継続、1週間後→14 万μL 


⑧プレドニン5mg、1日2回 合計10 mg 減薬→1週間後→12 万μL 


⑨プレドニン5mg、1日2回 合計 10mg 継続×2週間後→9万μL


⑩プレドニン5mg、1日3回 合計15mgへ増薬×1週間後→10.8 万μL



⑪プレドニン5mg、1日2回 合計10mgへ減薬×1週間後→10.6万μL


この時点でステロイド薬を飲み始めてから約5ヶ月が経過しました。血小板数が安定し始め、白血球レベルも基準値内に回復しました。ヘモグロビンは少し低めですが、11g/dL台をキープ。


この頃から断薬を目指し、1日の合計を10mg → 7.5mg → 5.0mg → 2.5mg →0.0mgと徐々に減薬、約半年をかけて断薬する事ができました。その半年間は10万~11万μLをキープ。懸念されていた断薬後の離脱症状は幸いにも見られませんでした。

 

断薬してからの3年間は、毎月のCBC血液検査で12万μL前後をキープ。鉄分剤やビタミン剤は、その時の体調に応じて継続。

 

今年は発病から5年目となりますが、ようやく15.9 万μLという数値に達し、寛解に至っております。ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。

 

4年前、ネットで必死に情報を収集しましたが、紫斑病に関する情報が少なく途方に暮れた日もありました。

今まさにITPと闘っておられる方、又はご家族の皆様のご不安はいかばかりかと、心中お察しします。私達もそうでしたし、寛解した今でも今後の不安を隠せません。ですが、私達の闘病体験が治療中の方々への希望の一つになればと思い書き綴らせいただきました。

ご参考になれば幸いです。

治療中の皆様の一日も早いご回復をお祈り申し上げます💐

一緒に乗り越えていきましょう💕

 

ご拝読いただきありがとうございました。

マアッサラーマ!