キミを知った、あの雨の日。
私がキミと出会ったのは去年の8月だったね。そう、ちょうど一年前。
私が東京へ出てきて、父に連れていってもらったお寿司屋さん。
キミはそこのお店のお弟子さんだった。
キミの第一印象は「カッコいい人だなぁ。」くらいだった。
それから何度もお店に行ったけど、ずーっと私たちはただの『寿司屋のお弟子さん』と『お客さん』だった。
あの日までは。
6月21日、土曜日。
ひょんなことから私の家族とそのお店のメンバーでカラオケに行く事になった。
午後10時過ぎから始まったカラオケは、午前2時を過ぎて解散となった。
その日は雨で、みんな次々にタクシーに乗って帰っていく。
キミはこの時すでにかなり酔っていたけれど、私と母を家まで送ってくれた。
マンションのエントランスまで来てキミは
「娘さんをお借りします。きちんとおかえししますので。」
なんて正気を装って言ってたけど、私がキミについていったのはキミが酔っぱらいすぎて危なっかしかったからだよ。
キミはその後の居酒屋で私によくわからない説教をして、なんだか私も感極まって泣いちゃったり…キミと初めて向き合って話した印象は、本当に最低最悪だった。何度も何度も「コイツ置いて帰ってやる!
」って思ったけど、やっぱり酔っぱらいを置いていくのは心配だった。いや、もうこの時から私の気持ちは動かされていたのかもしれない。
朝7時に居酒屋を出た時は雨は小降りになっていて、二人とも傘を持っていたけれどキミは強引に私の傘を奪い、キミの傘ひとつでならんで歩いたね。居酒屋を出た時にはキミは素のキミに戻っていた。
日曜の朝のオフィス街は静寂に包まれていて、微かに降る雨が私たちの肌を湿らせた。
オールしてお互い疲れているはずなのに、結局私たちは日曜のお昼まで一緒にいた。
『疲れているハズ』だったけど、一緒にいる時は疲れなんて感じてなかった。
なんだかキミと一緒にいるだけで心地よくて
海沿いのベンチにならんで座って話している時、ふと「一緒に寝たいな」って思った。
変な意味じゃなくて、ただ純粋にキミの隣で寝たいなぁって。
あとでこの話をしたら、キミも同じ事思ってたって言ってたよね。
コンビニで買った水のフタを何度も落としたり、赤信号なのに渡ろうとしたり、水たまりには気付かず何度もバシャバシャしたり、そんなキミが可愛くてほっとけなくて・・・
私はどんどんキミに惹かれていったんだ。
私が東京へ出てきて、父に連れていってもらったお寿司屋さん。
キミはそこのお店のお弟子さんだった。
キミの第一印象は「カッコいい人だなぁ。」くらいだった。
それから何度もお店に行ったけど、ずーっと私たちはただの『寿司屋のお弟子さん』と『お客さん』だった。
あの日までは。
6月21日、土曜日。
ひょんなことから私の家族とそのお店のメンバーでカラオケに行く事になった。
午後10時過ぎから始まったカラオケは、午前2時を過ぎて解散となった。
その日は雨で、みんな次々にタクシーに乗って帰っていく。
キミはこの時すでにかなり酔っていたけれど、私と母を家まで送ってくれた。
マンションのエントランスまで来てキミは
「娘さんをお借りします。きちんとおかえししますので。」
なんて正気を装って言ってたけど、私がキミについていったのはキミが酔っぱらいすぎて危なっかしかったからだよ。
キミはその後の居酒屋で私によくわからない説教をして、なんだか私も感極まって泣いちゃったり…キミと初めて向き合って話した印象は、本当に最低最悪だった。何度も何度も「コイツ置いて帰ってやる!
」って思ったけど、やっぱり酔っぱらいを置いていくのは心配だった。いや、もうこの時から私の気持ちは動かされていたのかもしれない。朝7時に居酒屋を出た時は雨は小降りになっていて、二人とも傘を持っていたけれどキミは強引に私の傘を奪い、キミの傘ひとつでならんで歩いたね。居酒屋を出た時にはキミは素のキミに戻っていた。
日曜の朝のオフィス街は静寂に包まれていて、微かに降る雨が私たちの肌を湿らせた。
オールしてお互い疲れているはずなのに、結局私たちは日曜のお昼まで一緒にいた。
『疲れているハズ』だったけど、一緒にいる時は疲れなんて感じてなかった。
なんだかキミと一緒にいるだけで心地よくて
海沿いのベンチにならんで座って話している時、ふと「一緒に寝たいな」って思った。
変な意味じゃなくて、ただ純粋にキミの隣で寝たいなぁって。
あとでこの話をしたら、キミも同じ事思ってたって言ってたよね。
コンビニで買った水のフタを何度も落としたり、赤信号なのに渡ろうとしたり、水たまりには気付かず何度もバシャバシャしたり、そんなキミが可愛くてほっとけなくて・・・
私はどんどんキミに惹かれていったんだ。
今日は、雨。
晩ご飯を食べ終えて、さて、することもなくぶらりと外へ散歩に出てみる。
ポツポツと降る雨。差すほどでも無いから、傘は手に持ったまま歩く。
向かう先は、私の大好きな場所。
新しいマンションが建ち並ぶ再開発地。
15分くらい歩いたところで、雨足が強まり傘を差した。
歩けば歩くほどズボンの裾が濡れていく。
キミとならんで歩いたあの夜も雨だったね。
私たちが一緒にいる時は雨ばかりだった。
でも全然イヤじゃなかったよ。
私はあの時から雨が好きになったんだ。
雨は、汚れた街を洗い流すために降っているのかもしれない。
いや、今日の私の涙を隠すために降っているのかもしれない。
ポツポツと降る雨。差すほどでも無いから、傘は手に持ったまま歩く。
向かう先は、私の大好きな場所。
新しいマンションが建ち並ぶ再開発地。
15分くらい歩いたところで、雨足が強まり傘を差した。
歩けば歩くほどズボンの裾が濡れていく。
キミとならんで歩いたあの夜も雨だったね。
私たちが一緒にいる時は雨ばかりだった。
でも全然イヤじゃなかったよ。
私はあの時から雨が好きになったんだ。
雨は、汚れた街を洗い流すために降っているのかもしれない。
いや、今日の私の涙を隠すために降っているのかもしれない。
