世間がもうデートやちゅうだけでは満足しなくなってきた。

それと同時に5人衆が私を探し回ってるとも耳にする様になった。


ポケベルにも新しい番号が増えた。

年齢と時間の間に


1=舐める

2=指まで

3=最後まで

5=処女


入る様になった。


いままでのオプションだった”ちゅう”は自然消滅した。

あと、何故か商品達は”ちゅう”を嫌がった。



まず、クスリが欲しいジャンキーな商品達は進んで

3を選ぶ。

他が面倒だからだ。黙って寝てればおっさん達は勝手に満足する。

頭でスピードやLSDのことかんがえててもバレない。


一番厄介だったのは一日に”5”が続く時

金額こそ跳ね上がるが、こちらもさすがにネタが切れる

そういう時は近くのお嬢様な女子高によく

自転車でオーディションと称して拉致に行った。

お嬢様たちは、勉強がんばってきた甲斐あって処女が

結構いた。

しかも高校デビューな訳だから早く処女を捨てたいという私にはぴったりな

条件の磨けば光る商品がゴロゴロしていた。

相手もお金が入りホクホク。

いい関係が築けたと思ってた。

かなりめちゃくちゃしていたと思う

そしてかなりのお金が舞い込んできた

勘違いにはより一層磨きがかかり、年上の奴らもみんな私に

忠実だと思ってた。

金でしか繋がってないのに。



緑はこの頃私によく”そろそろ辞めろ。”や”危ない”と注意をしていた。

私は聞かなかった。正直、うざかった。

危ないは私がいきなり知らないおじさん達に拉致られた事を言ってるんだと思う。

そんなのどうでもいい。今が最強ならそれでいい。

私は完全に金の亡者になっていた。



”おじさん達”はジャンキーや高校3年のいわゆる賞味期限がすぎた

商品達を嫌がった。

当然である。


だんだんジャンキーたちが私の取り分に不満を漏らしだし

需要は少ない上に取り分も少なかったら”クスリ”が買えないんだろう

じか引きしだす様になった。(自分達で客をとり、商売する事)

ふざけるなと思った。

こっちは7ヶ月休みなく客をつけたりしてたんだ。


何回痛い目見たと思ってんの?

何回助けたと思ってんの?

ふざけんな!


出来るもんならやってみろってね。

私は無敵


結果、客が全くいなくなった。

やられた・・・完全にやられた・・・

商品もいなくなった。



緑は相変わらずだけどもう女を買う事はなかった。

私達の心配ばかりしていた。

まぇ自分もサブかったんだろう。

たまにお金を渡してわざと探らせたりしていた。



学校には2年、3年の先輩。そう私の事を嫌うポン中だらけになった。

毎日が今日は拉致られません様に・・・と心で祈ってた。

あいつらは色んな手を使ってくる。

刺された後がまだ残ってる。

それでも必死だった。一人の仲良しの敏腕アシSが


もう辞めて普通に戻る。そろそろ警察怖い。


と言った。勝手にしろとだけ言った

ヘタレはいらない。こっちからバイバイだ。



朝、珍しく私を嫌う2年のジャンキーが慌てて私のところに来た

刺されるのかと思った

小さな声で

”お嬢様学校の子ら4人が刑事に補導された”

と言った。

頭が割れるほどの大きさに感じた。

いやな事態になったと思ったが遅かった。

はめられた。

私ははめられたんだ。


敏腕アシSは5人衆の犬だった。






人間不思議な物でつい2ヶ月か3ヶ月前までは一日300円でどうやって

遊ぶか。どうやってタカるか。ばかり考えていたはずなのに学校へもタクシー通学になった。

これは用心の為でもあったけど


とにかく学校へは行かないと金が入らない。


遅刻はしない。

開店時間が8時半だから


一日多い時で10人位斡旋した。

もっと余裕で出来たけど価値が今より下がると困る。

いっぱいになると電源を切る。


朝はおっさん達は必死になる。

たまに10人いかなくても電源をきる。


風を引いてるかわざとかのどちらかだ。

わざと値打ちをこく。 商品価値をあげる。

お金はすごく欲しい。

でも今の立場は逆転させたくない。


客<商品(女の子)<守り役<見張り<アシスタント(仲良し)<私


というシステムが完全にできあがっていた。

こんな客に不親切なの、会社だったら嫌だなぁ・・・



金を持ち始めると世の中は自分が最強なんじゃないかと思う様になってくる。

この頃中2からつきあってた彼氏がショボクみえて別れた。

自分にはもっとすごい(どんなのかわからないけど)男がふさわしいと思ってた。

クラブに行って私のことを知らない奴はみんなでわからせた。今でいうボコる。だ

男も女も関係ない。逆らう奴は敵もしくわモグリ

そう決め付けていた



金使いももちろんおかしくなる。

16歳になっていた私はまず財布を買った。

いわゆるブランド財布だ。生まれて初めてのブランド

小銭いれの付いてない物。札しかいらないと本気で思っていた。

ふざけている。

小銭は全て募金箱へ。人を助けている気分だった。


次に時計を買った。170万だして買った。

時計はなかなか苦戦した。

制服で行っても宝石屋が相手にしてくれないのだ。


後、少し名前が売れ始めていた私のことに気付いた宝石屋が警察に通報

しようとする。

今だったら喜んで売りつけるくせに・・・

服も何もかも決めた自分は

その辺のガキじゃないと思い込んでいた。



毎日、女の子が働いてる間、私は日サロに通っていた。

レンガの様な肌の色して、白メッシュだらけの髪型で

気持ち悪いこの上ない



だんだんと商品達が”クスリ”に手を出し始める

おじさん達から相手にされなくなる。

という最悪なパターンが増えてきた。


私はデート斡旋業から


”売春斡旋の女帝”


になろうと考えた。女帝・・・素晴らしい響きだ。

これで金がもっともっと入る。



この頃私より年上の5人衆の話を

耳にする様になる。

はっきりいって気に入らなかった。

目を付けられてるとも思わなかった。


捕まることや裏切りは一切頭になかった。

その頃はもう携帯電話も普及し始めた頃だったけど

携帯は高すぎるのと、脚がつきやすいという理由からポケットベルに

なった。

あと値段を大幅に下げた。緑が提案した金額を参考にしていたけど

それっておじさん達が頑張って出せる金額な訳だから、値段をさげたら二ヶ月に一回の

客が二週間に一回の頻度になり

先の100万かすぐの10万みたいな感じ。もちろん2秒後の10万が欲しい。

この商売はそう長くは続けれないと思っていたし。


取り分もだいぶ変更した

いままでの9:1からだいたい7:3くらいに



私は使い捨てカメラをなぜかいつも持っていたので

客のおじさん達の顔写真を取らせてもらい、免許のコピーをもらっていた。

客一人一人に番号もつけた


こういう時だけ悪知恵が働くってどうよ?



ポケットベルは、


◎太客用(一回で10万払う。緑は無条件でココ)、

◎雑魚客用(あまり金を落とさない。すなわち女のレベルのそこまで・・・、

◎要注意用(あまり知らない。のでどうでもいい女の子をつける)


と使い分けていくうちに

数が増えていった

プライベートでは携帯を持っていた。


ポケットベルも未成年だから3台も借りる訳にも行かず

仲良しの3人の内の2人に協力してもらい

借りた



受付は朝8時半から朝11時半まで

女の子を捜すのに時間がかかるから。


女の子を働かせるのは午後7時まで。予約したらキャンセルの時は絶対にキャンセル料が発生する。

何時まではキャンセル料は要らないよ。等、ふざけた優しさは持ち備えていない


(でも、今思えばこんなやわやわなルールでよくビジネスが出来たなと思う。

無知って恐ろしい)


門限やそれ以上遅くになるとおじさん達がよからぬ想像をしたり

一番はやっぱり女の子達が手にしたお金を持って

パラパラを踊りに世の中から消えかけの”ディスコ”に行きたがるからで。



私の朝は忙しい

とにかく忙しい



始業とともに鳴り捲るポケットベル


”16--5--1730--1”


”16歳、5万、午後5時半、緑”

という意味。その頃はまだこれに番号が増えるとは思っていなかった。


学校が終わるまでに16歳でおっさんとデートしてくれる子を仲良し2人と私で探しまくる

仲良しが3人から2人にへったのは一人が学校を退学になったから


待ち合わせ場所は

決まっている。見張り役がいる。いつも同じ場所

そのせいで何度か職務質問にあった。


だんだんおっさん達にクチコミで広がりだした。

女の子も一瞬の金持ちをあじわったら抜け出せない。

いい傾向だ。


この頃私は月に130万稼いでいた。

まだまだ。ぜんぜん足りない。