身体を鍛えるって、どういうことか?
一般的には走ったり、筋トレしたり、といったようなことで、
身体を強くすることだと思うんですね。
ですから、身体に負担を掛けることが重要になりますよね。
ストレッチも硬いところを伸ばそうと、ある意味、負担を掛ける行為ですよね。
これらは、おおむね目に見える変化が現れますでしょ?
身体が締まってきたとか、柔軟性がアップしたとか。
これはこれで、とても嬉しい結果だと思うんです。
ところで、もし、
見た目の体型やどれだけ脚が開くか、といったようなことが最終目標ではなく、
スポーツや演奏、表現などのパフォーマンスアップや、
健康で身体の不調がないことが最終目標であったとしますと、
この身体を鍛えるということに対して、違う捉え方をしてもいいと思うんですね。
それは、
目に見えるところを鍛えるのではなく、
目に見えないところを鍛える。
目に見える肉体というところに意識がいっているということは、
太い、細い、硬い、柔らかい・・・誰が見ても分るものが指標なんですね。
それは、パフォーマンスアップや健康とは直接関係ありませんでしょ?
では、見えないところってどこ?、そこをどう鍛えるの?
私のオススメ・・・それは、骨を動かすということにも繋がってくるのですが、
筋肉の滑りを良くする!
・・・筋肉の滑り???
ですよね。
筋肉といいますのは、骨と骨にまたがってくっついているわけですけれども、
あっちの骨の右端からこっちの骨の左端にとか、同じその左端のところから、
別の筋肉が向こうの骨の側面に、ばーっとつながってくっついていたりするんですね。
まぁ、いくつもの筋肉たちが複雑に重なり合っているんです。
(人体解剖図を見てみて下さい。馴れませんと、
何だかよく分らないくらいに、重なり合っていますよ。)
で、この筋肉はそれぞれ筋膜という薄い膜に覆われていまして、
お互いの滑りを良くする役割を果たしてくれているんです。
ところが、この筋膜が毛羽だってお隣りの筋肉とくっついてしまう感じになるんですね。
そうしますと、ある筋肉が動く際に、本来動く必要の無い筋肉を引っ張り込んでしまうんです。
それは、つまるところ、働くべき筋肉は必要以上に頑張らないといけなくなってしまいますし、
引きずられてしまう方の筋肉は、自力ではなく他力的にではあっても、
それがつながっている骨を動かしてしまいます。
余計な動きをしてしまうということですね。
もし、筋力が足りないと思っていたとして、
それは実は他の筋肉を引っ張り込むことに力を浪費しているだけかもしれませんし、
柔軟性が足りないというのも、
やはり他の筋肉を引っ張り込んでしまうために、伸びられないのかもしれない。
トレーニングとして、体に無駄に負担を掛けている。。。
これ、皆さんそうだと思いますよ。ただ、気が付きようがないだけなんです。
だれも教えてくれませんしね。
私は、このようにお互いがくっついてしまったような筋肉を、
”大雑把な筋肉”
と呼んでいます。
大雑把な筋肉のままで、筋トレしたりストレッチをしましても、やはり大雑把なままですから、
動きも大雑把なままであろうことは、容易に想像がつきますよね。
柔らかな動き、しなやかな動き、大雑把な筋肉のままでは難しいですよね。
私自身、日々のトレーニングでは、それを防ぐといいますか、
滑りを良くすることに重点を置いていますし、
レッスンで、いわゆる筋トレやストレッチをほとんどしないのも、そういった理由からなんです。
滑りをよくする運動を多く取り入れています。(さりげなく)
クラスの中には「自己整体真呼吸クラス」というのも開催していますが、
ここでは、筋肉同士を分けたり、筋肉と骨を分けたりということを、
自己手技療法的に行なったりしています。
こういったことに意識を向けて身体を鍛えていきますと、
筋肉はとっても細かく分かれて、細やかで繊細な動きも可能になってくるんです。
そして、見た目は筋肉隆々ではなく、細身になるんですね。
野球のイチローみたいな感じです。
ピラティスやヨガは多くの方がやられていますけれど、
却って弊害を起こしている人がいるのは、こういった理由もあるように思います。
せっかく体にいいことを、とやられているわけですから、
ちょっと意識を変えてみられてはいかがでしょうか?
では、最後にもう一度。
筋肉の滑りを良くする!
どうしたらいいのか、ちょっと難しいなということでしたら、私のクラスにいつでも。
個人レッスンでも普段のレッスンでも。お気軽に。
Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ!