仕事の質を高め、やり直しを防ぐダンドリ仕事術「自工程完結(JKK)」は、仕事だけでなく、料理、勉強、旅行、スポーツなど「段取り」があるもの全てに活用できる究極の思考法と言えます。なぜ、究極なのか? 仕事の基本をまったく知らない人でもわかる? 学園でおこる難題に巻き込まれる女子高生のストーリーを通じて、ダンドリ、フレームワークといった幅広く使える便利なトヨタの思考法を世界一やさしく解説する話題の新刊『誰でもストーリーでわかる! トヨタの思考法――知識ゼロから驚くほど合理的な「自工程完結」が身につく』から、そのエッセンスを一部抜粋して紹介します。
● 世界一やさしく トヨタの思考法(自工程完結)を理解する
自工程完結とは製造現場で生まれた、『作業者自らが責任を持って、一つひとつの工程で悪いモノは作らない、流さない』という考え方です。『工程』とは『手順(プロセス)』を指します。
例えば身近な例で、『カップラーメンを作る』手順で考えてみましょう。
カップラーメンを作る手順は下記の通り。
「(1)お湯を沸かす(2)(沸くのを待たず)カップのフタを開けて、(3)粉末スープなどの袋を取り出し、(4)袋を破って粉末スープなどをカップに入れる。(5)沸いたお湯をカップの線まで注ぎ、(6)フタを閉めて、(7)3分待って出来上がり!」
このように、おおよそ7つの手順に分けられます。
これらの手順を間違いなく行う、つまり『一つひとつの工程を完結させる』こと(=自工程完結)により、美味しいカップラーメンが食べられます。● 後工程はお客様という考え方
クルマの部品は、約3万点にものぼります。そのようなクルマで、組み付けた部品が壊れてしまったら、人命にも関わることになります。そのため、いくつも検査(チェック)をして、不良品があれば取り除いています。しかし発生した不良品は廃棄し、良品と取り換えなければなりません。
さらに部品が壊れた原因を究明する必要もあり、時間や費用がかかり、ムダも発生します。そこで、検査に頼るのではなく、『自工程完結』によって良いモノだけを、後に続く工程=『後工程』にバトンのように引き渡す。そうすることにより、出来上がった最終品も、間違いなく良いモノであると保証の考え方が生まれたのです。
モノづくりの世界では、『後工程はお客様』という考え方があります。仕事は多くの部門や関係者で成り立っています。そこで後工程をお客様と捉えて、後工程の期待に応えるアウトプット(成果物)を引き渡して、お客様に高い品質の商品やサービスを提供します。
サッカーのW杯で日本人サポーターが、試合後のスタンドに落ちていたゴミを拾う姿が世界で称賛されましたが、あれも、『後に使用する人への思いやり』から生まれた行動と言えるのではないでしょうか。
● 良し悪しがその場でわかるのが大事
さて、ここから自工程完結の本質に迫ってみましょう。
悪いモノが流れないということは、どういうことでしょうか?
それは、『良し悪しがその場でわかる』ことなのです。
例えば車に乗る時に締めるシートベルト。シートベルトがしっかり締まった』と思えるのは、どういう時でしょう(図表)?
締めた時に、“カチッ”と音がします。まさにその音こそがしっかりと締まった合図であり、『良し!』とその場で判わかることです。
ちなみに締めた後に、本当に締まっているかどうかシートベルトを引っ張る行為は、チェックしていることであり『検査』になります。
“カチッ”と音がしたら、『締まった!良し!』
“カチッ”と音がしなかったら、『しまった(失敗した)!悪し!』ということになります。佐々木眞一
