青春とは

色の足りない

筆致のあまい

未完成の絵のよう


何色なのか

手数と角度の差異なのか

キャンバスのせいではないはず


未完成のままでいい

誰にも見せたくない

かなぐり捨ててもいい

そんな絵がある


それでも「あおぞら」という

題名さえ消してしまっていたなら

今の僕はいない


それでもいいと思えた

その時の白濁した衝動


青春を生きるのは

誰のためでもない

寄りかかるすべもなく

思い出は日没に似て

おなじ光を遠ざけながら

腕の中で溶け合うように

そんなふうに黄昏れていた

誰かの幸せを想いながら
とりとめのない言葉が

今を愛そうとしている


あるがままに

そのままだからこそ

ただ美しい

それを見つめている


繰り返される過ちも

嘘も

恋も

知らないふりをして

通り過ぎる

今日も


いつか裸になって

泳いでいきたい