マニアックな着物のお話にご興味がある方だけ...

今日はお読みくださいませ。

でも写真だけ御覧いただいても楽しめるよう、何枚か貼り付けます。

最後までお付き合いのほど...。

 

 

 

先週、京都で見学させていただいた型友禅

「五月雨紋」の着物が上がってきました。

もう、久しぶりにウキウキしてしつけ糸をほどいた週末の日曜日。

美容院でセットしていただき、

短くなった髪の毛をセットしてもらいました。

 

大好きな紬の帯で出かけました。

五月雨が降っている友禅染めの地色は「香色」

薄い藤色で柄をかけています。

 

 

この距離で見ても色無地です。

なんともいえない「いい色」でした。

そして「浜ちりめん」の光沢と、とろみのある生地がたまりませんでした。

やはり色無地は白生地が勝敗を分けるのではないかと

この出来上がりに袖を通して

縦になった絹の「落ち感」を感じて、

心からそう思いました。

やや肉厚の、ふんわりした感じ。

帯締めは京都で求めたものです。

京都タカシマヤの向かい側の「えり善」さんで、

昨年の夏でした。

 

 

いろいろと使ってきた帯締めですけれど、

この組み合わせコーディネートがしたかったのです。

全身がワントーンになるようなコーディネート。

すっきりと寒色系に、濃い暗い紫色の帯締めで引き締めました。

 

 

 

 

帯は無地ですからどんな着物にも合わせやすいのですが、

これは先月の紬に合わせていたのと同じ帯です。

 

ただこうした紬は、ちょっと昔の人みたいになりがち。

三春からきた祖母のですから、

ほんとうに昔のですけどね。

 

 

全身をグラデーションにまとめる難しさを、

色無地は解決してくれるのですね。

帯を引き立てる天才!

それが色無地と思いました。

 

 

 

八掛けは「とも薄」で染めていただきました。

これも、選びに選んで、

たくさんの見本を見せていただき、

合う「とも薄」がみつからなくて、

やはり染めていただきました。

草履は、私が今、いちばん履きやすいと思っている、

大阪の老舗、IWASAです。

http://iwasajapan.com/

 

 

下り藤のひとつ紋も刺繍で入れてもらい、

五月雨に藤の花が咲きました。

いま、気が付いたんですけどね。

 

 

 

これまで若い時から

小紋、小紋、江戸小紋、鮫小紋と

普通に覚えていただけでしたが、

小さな紋を型染めする、

その気の遠くなるような職人さんの手と、

時間と、

美しさに対する意識の高さの

妥協なきクオリティが、

同じものを美しいと思える感性が、

時としてお互いに宿ることがある場合に、

こうして出来上がったものに満足できるのだなと。

 

 

「着る」「物」

なのだけれど、

ユニクロやヤフオクや、

使い捨ての「着る」「物」

に囲まれた現代でも、

着物だけはこんなに奥深いのだなと、

だから何十年も着れるのだなと。

 

 

私もあと20年着れるだろうか、着物...。

と少し心配になりながら、

今回の出会いに感謝をしました。