銀河の散歩道

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思いつくことを思いついたときに書きたいと思います.

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いつぞやからニュースやニュース解説,ワイドショーをよく見るようになった.最近は福島のALPS処理水の問題やそれに対する近隣諸国の反応を取り上げていることが多い.少し前まではマイナカードの問題ばかりが前面に出ていたようだが,ここのところすっかり影を潜めてしまった.こういった問題について,私が知りたいことがいくつかあるが,地上波のニュースなどではほとんど取り上げてくれない.

 

例えばALPS処理水に関しては次のようなことが知りたい.原発の冷却水放出とALPS処理水は,含まれている放射性核種が違っている.冷却水にはトリチウムしか含まれていないが,ALPS処理水にはそれ以外のプルトニウム,ヨウ素などの放射性核種が含まれている.これは環境省のホームページに公表されているので,国や東電はきちんと認識している.

 

 

 

私は公害問題が盛んなりし頃生物学を専攻した人間で,その頃のキーワードは「生物濃縮」であった.そこで,単純にこれらトリチウム以外の核種は「生物濃縮」の危険性がないのだろうか? ということがずっと以前から気になっていた.ネットで「生物濃縮,トリチウム以外」というようなキーワードで検索してみると,いくつかそういった危険性に言及しているサイトは見つかるが,数は多くない.

 

「放射性ヨウ素は若者の甲状腺に取り込まれる」というのは,福島の原発事故が起きたときに盛んに報道された.ヨウ素129はALPS処理水に含まれることは明記されている.これらは「実際の放出時には規制基準値の100分の1未満となり,......,これらが検出されたとしても、人体や環境への影響に問題が生じるものではありません」というように上記のWebページに書かれている.国はこのように主張しているのだが,環境基準以下に薄められていても,生物濃縮という過程で高次消費者の体内に蓄積され,影響が出るレベルにまで濃度が高まるのではないかという「私自身が持っている危惧」については書かれていない.

 

国はこのように,トリチウム以外の核種について自らの主張を公表しているので,それを検証するのが「マスコミ」の仕事であろうと思う.しかし「マスコミ」は,トリチウムのことだけを大きく取り上げ,それに対する周辺国の反応を報道することが多い.私が知りたいことをなかなか報道してくれないのだ.トリチウム以外の核種から目を背けさせているのは,国や東電ではなくマスコミではないかとさえ思ってしまう.それともマスコミの視点の多様さが失われているのだろうか.

 

(9月9日追加):今日,NHKの朝の番組の7:20ごろの放送で,SNSの不安に答える的な内容の報道があった.この中で生物濃縮が取り上げられていたので興味を持って見ていたが,やはり私の知りたいことは放送されなかった.放送内容を要約すると「トリチウムは生物濃縮しない」「他の核種も放出されているが環境基準以下の濃度で,これらの中には体内に蓄積されるものもあるが,魚や人体が取り込んでも影響はないレベルの放射能である」というものであった.残念ながら「他の核種が生物濃縮によって危険な濃度に達する可能性」についてはやはり言及がなかった.なぜ生物濃縮の側面を「生物濃縮しないトリチウム」だけについて取り上げ,これを他の核種に結びつけて放送しないのか,マスコミの取り上げ方にやはり疑問が残る.

 

悪意はないと信じているが,同じ側面だけの報道を繰り返すことによって洗脳している某国と同じ気がする時さえある.

 

話は変わるが,同じことはマイナカードについての報道でも感じた.マイナカードの新規登録にあってはならないミスがあったと報道された.こういったミスはあってはならないというのは私も同感で,きちんと対応していくべきであるしマイナカードを推進する立場にある人たちが批判されて当然である.

 

私はこの報道が誤りだなどというつもりは全くない.ただ報道に使われる数字の扱いに偏向を覚える.例えば各報道機関の発表によると誤ったひも付けが7000件以上あったとされている.これは確かに多い数だ.しかし登録者数を仮に7000万人とするとその0.01%である.繰り返しになるが,こんなに少ないのだからいい,と言うつもりはない.私が言いたいのは,この0.01%という数字をマスコミがほとんど使わない(時々コメンテータが指摘はしている)ということなのだ.

 

私は,マイナカード登録に関わった個人やお役所の方々は,ある意味とても優秀だと思う.急ぎすぎだとかマイナポイントで釣ったからだ等という批判がある中で,ミスをこの程度で押さえているのは,やはり日本の国民一人一人のレベルの高さを証明していると思う.

 

またマイナカードでトラブルのあった医療機関が65%という報道がある.ものすごい数であるという印象を持つが,例えば,各医療機関で平均100人に1人こういったトラブルがあったとしよう.トラブルの割合は1%である.100の医療機関のうち65%でトラブルがあったとすると,65の医療機関で,平均100人に1人トラブルが生じた,つまり全体で言うと65の医療機関6500人に65人のトラブルがあったことになるが,やはりトラブルの割合は1%である.65%ではない.このあたりも誤解のないように報道してほしいと思う.

 

わたしは,時々マスコミに馬鹿にされているような気がして,最近マスコミにうんざりすることが多い.一定の方向に世論を引っ張っていこうとする某国の報道と同じようなことをやっているように見える.とくに,数字の扱いや自然科学的な問題についてそれを感じることが多い.

 

学校教育において,数学や理科という教科は,こういった報道のからくりに疑問を持つ上でとても重要だと思っている.若者たちに言いたい.数学や理科をあるレベルまでは是非勉強してほしい.

 

なお最後になりましたが,以上は「日頃地デジのニュースやワイドショーばかり見ている私」の感じていることを述べたので,心あるマスコミの方々を批判するつもりはありません.