石巻2/雄勝地区 | 東京散歩 * Allons Nous Promener aux Milieux de Tokyo

東京散歩 * Allons Nous Promener aux Milieux de Tokyo

ハイセンスなヘアアクセサリーのセレクトショップMilieux de la Cultureのスタッフブログです。
新着商品情報のほか、東京都内を中心に管理人の独断と偏見(笑)で選んだMilieuxなスポットをご紹介します。

今日、TBSの「がっちりマンデー」を見るまで、「カフェ英國屋」が全国チェーンではなく、大阪ローカルの喫茶店だということを知らなかったMilieux de la Cultureです。

ン十年生きていてもまだまだ知らないことはあるものです

表のショーケースのシフォンケーキが目を引く英國屋。大阪ではあちらこちらで見かけるごくごく日常的な光景でしたが、あれは大阪「だけ」の光景だったんですね。東京ですと「喫茶室ルノアール」みたいなものでしょうか。

さて、先日の仙台でのイベント後の石巻訪問について、前回は大川小学校をご紹介しましたが、今回はその次にうかがった雄勝地区をご紹介します。

雄勝へはタクシーで移動しました。
雄勝地区は大川小学校の裏手にある山の峠を越えたところにあります。リアス式海岸に面した静かな街ですが、高齢化もかなり進んでいる地域です。

雄勝

ここの地域医療を支えた石巻市立雄勝病院は、震災で3階建ての建物の屋上にまで津波が押し寄せたため、患者40人、職員28人のうち、4人しか生き残れることができませんでした。高齢の患者さんが多く、思うように避難が進まない中、なんとか上がった屋上で逃げ場を失ったのです。

雄勝


道路の左側に茶色の盛り土がありますが、ここに雄勝病院があったそうです。


ルポルタージュを読むと、病院関係者の中には「患者を放っては逃げられない」と言って、病院に戻られた方もいらっしゃったとか。最後まで患者さんに寄り添い、一緒に波にさらわれていった方々のことを想うと本当に胸が痛みます。

3階建ての病院が津波に飲み込まれたわけですから、周辺ももちろん壊滅的な被害を受けました。近くの雄勝町庁舎にも最上階まで津波がきたそうです。

現在は取り壊された旧庁舎場所には、仮設店舗であり、街の唯一の商店街である「おがつ店こ屋街(たなこやがい)」がありました。ここに来るときに利用した「雄勝タクシー」も、入居しています。

雄勝



「店こ屋街」内の「洸洋」では、とろあじ定食をいただきました。
油ののった肉厚なお魚!雄勝産のめかぶとわかめの茎もおいしかったです。


雄勝


店内には震災時の雄勝の街が写真で残されていました。

雄勝

ところで、雄勝は硯で有名な街だということをご存知でしょうか?
かつては日本の硯の90%は雄勝で生産されていたそうですが、今街では、その硯の原料である雄勝石で地域の再生に取り組んでいます。雄勝石は、新しく建て替えられた東京駅の屋根の一部にも使用されているんですよ

同じく「店こ屋街」に店舗をかまえる「雄勝硯生産販売協同組合」さんでは、雄勝石でつくられたさまざまな商品が販売されていました。

雄勝


ここで管理人が購入したものをご紹介しましょう。

雄勝

雄勝石の銘々皿です!
和菓子でおもてなしするときにぴったりですね。
塗りの銘々皿はよく見かけますが、石のお皿は初めてです。

雄勝


雄勝石の黒い陰影にとても趣があります。
ひんやり・しっとりとした質感も気に入っています。
雄勝石の新しい可能性を感じさせるお皿だと思います。

旧庁舎があった場所のそばに石碑がありました。

雄勝


碑文は以下のとおりです。

犠牲者の鎮魂と慰霊に思いを籠め 
今次の震災が永久に教訓となることを願って
この地に建立する

いろんな意味で都市のしわよせをこうむってきた地方が、今回の震災でより厳しい状況に追いこまれているという現実を痛切に感じます。震災後、街を去った人も多いそうですが、「いつか帰ってきてくれるまで街を守る」という思いで雄勝に残って、仮設店舗でがんばっておられる方々のご努力がいつか実を結ぶことを願ってやみません。

雄勝訪問後は、再び住民バスに乗せていただいて石巻赤十字病院まで行き、そこからバスを乗り換えて石巻駅に戻りました。駅周辺ではあまり長くはいられなかったのですが、気になったものをいくつか写真におさめましたので、それを次回ご紹介して石巻の旅の記録を終わりにしたいと思います。